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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

葉玉葱の蕾

先週、玉葱をいただいた。葱のように緑の葉が長くついた葉玉葱だ。

毎日料理しては食べていたのだが、東京、神戸へと行くことになり、新聞紙に包んで玄関に置いて出かけた。

帰ってくると、先についた蕾が、つんと上に向かって伸びていた。

 

それを見て、不意に悲しくなった。

植物の逆境にも負けない真摯な姿に、根拠もなく誰かに責められているかのような気持ちになり、言い訳したくなったのだ。

「これでもけっこう、必死に生きてるんだよ」

植物は、確かにすごい。言い訳もせず、あきらめもせず、与えられた環境で必死に生きていこうとする。強い。

だけど、とも思う。わたしも含め、周りの人たちを見まわして考える。

「みんな、まじめに生きてる。必死にやってるんだ」って。

 

いい大人になったって、こうして突然泣きたくなったり、弱音を吐いたりしてしまう。玉葱の蕾が伸びているのを見たとき、傘をパッと開いた音、時計の秒針が時を刻んだ瞬間。わたしは、ぐらぐらと揺れる。

まったくもう。いつになったらちゃんとした大人になれるのやら。

「葉玉葱食べて、がんばろ」

食べて眠って、明日も生きていくしかないもんね。

CIMG7007いただいた葉玉葱。10本以上ありました。

CIMG7010畑から掘りたてです。細おもてな玉葱さん。

CIMG7067白く白く、やわらかいです。

CIMG7075いつもの茹で卵ディップに、丸々1個刻んで入れました。

CIMG7070ジャーマンポテトには、普通の玉葱として活躍してくれます。

CIMG7078緑の部分は、茹でて鶏ささみとぬたにしました。

CIMG7258玄関の米袋の脇で伸びていた葉玉葱の芽です。がんばってるなあ。

 

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PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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