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はりねずみが眠るとき

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蕎麦屋のつゆ

ホーチミンでの仕事は、イオンモールのジャパンモールの企画運営で、わんこ蕎麦ならぬ「わんこフォー」が大人気で盛り上がった。

その場で募って挑戦した人が、よくそんなに食べられるなあというほどよく食べた。もしかしたら蕎麦よりたくさん食べられるのかも、と見ていて思った。蕎麦つゆの濃い味よりもニョクマムのやわらかな味の方が量は行けるかも、と。

まあ、食べたのはベトナムの人だから慣れた味だということもあったのだろう。

 

少しまえのことになるが、新橋の蕎麦屋で一杯飲んだ。

蕎麦屋だが肴が美味いと人気の店だと聞き、飲みに出かけた。

メニューもおもしろく、鯖缶のマヨネーズ焼きなどというものがある。頼むと缶のまま焼いたものが出てきた。マヨネーズがこんがりと焼け香ばしい。

それが美味かった。

「これ、マヨネーズとか葱とかのせて焼いただけなんですか?」

訊いてみると、やはりひと手間かけていた。

「缶詰の汁は捨てて、蕎麦つゆを入れて焼くんです」

意外と簡単だ。店主も言う。

「簡単なのでぜひやってみてください。蕎麦つゆの味によって変わるので、このままの味というわけにはいきませんが」

「なるほど。ここ、お蕎麦屋さんですものねえ。蕎麦つゆも一味違うよね、そりゃ」

 

蕎麦屋というと、蕎麦が主役だ。だが、名脇役の蕎麦つゆが美味しくなければ、主役がいくらがんばっても店は繁盛しないだろう。

それなのに「缶に蕎麦つゆを」と言われたときに、一味違う蕎麦屋のつゆだと、すぐには繋がらなかった。どうしても目立つ主役に気をとられ目がいきがちな自分に、肩をすくめる。

わんこフォーでがんばったニョクマムのスープにも、エールを送ろう。

これが、鯖缶のマヨネーズ焼き。マヨネーズ、ぷくぷくと沸いていました。

鶏の炙り焼き。

「うにのり」って何だろうと頼んでみると、そのまんまでした。

蕎麦は手打ち。さすがに、美味い。

新橋烏森口の蕎麦「虎徹(こてつ)」です。

 

COMMENT

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  1. ぱす より:

    イオンモールでのお仕事だったのですね。
    4年前にハノイに行ったときに、イオンがとうとう進出しますと、建設中のイオンの前を通った事を思い出しました。あの頃コンビニもないハノイにイオンができる。
    どんなにか、夢のようなことだろうと、ガイドさんの話からも想像しました。

    ホーチミンはもっと発展しているのですよね。

    • さえ より:

      >ぱすさん
      ホーチミンのイオンモール、おもしろかったです。
      ファミマにもうちの会社が作ったジャパンフェアの看板が出ていて、観て歩きました。
      そして、人の波の歩き方が日本と違うのがまたおもしろかったです。
      バイクの割り込みかたと似てるのかなあと思ったり。なんか、歩きにくいんだけど地もとの彼らはすいすい歩いてて。
      ハノイは行ったことがありませんが、ホーチミンとずいぶん違うのでしょうか。

PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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