大晦日から娘とフィアンセが帰省していて、年越しはどこへいくでもなく御節をつつき、4人のんびりと過ごしていた。
彼はフランス人なので、御節もお雑煮も初めてで、なますは「紅白でめでたい」とか、黒豆は「まめに働く」とか、お煮しめの牛蒡は「長く深く根をはる」だとか、御節にまつわる意味なども披露しながら食べ、楽しくワインを飲み、また食べては飲んだ。
そんな明けて2日、夫が、娘のフィアンセに蕎麦打ちを教えることになった。
夫は10年ほど前から、大晦日に蕎麦を打つようになった。
長野の蕎麦処から蕎麦粉を取り寄せ、使う道具も少しずついいものを揃え、年越し蕎麦は、打ち立て茹で立ての本格的な蕎麦を味わうのが、毎年の楽しみとなっている。
しかしこれまで、夫が蕎麦を打つ様子をつぶさに見ていることはなかった。大晦日は、わたしも御節作りで大忙し。計量カップやボールを、これ使っていい? ちょっと待って、などといいながら同じ部屋にあるリビングとキッチンで別行動というのが常なのだ。
今回、初めてゆっくりと見学させてもらった。それも、夫が彼に教える講義つき。これまで知らなかった蕎麦打ちのコツが、いろいろとわかりおもしろかった。
蕎麦粉に水を少しずつ馴染ませるように足して水分を含ませていくこと。決して水を足しすぎてはいけないこと。我慢強くこねていけばしっかりまとまること。伸ばすときには打ち粉をたっぷりと振ること。重たい包丁をまっすぐに落とすようにして切ること。などなど。
水の量を、こねていく過程で様子を見て決めるというのがいちばん難しく、パンをこねるのとは全く違うのだと驚いた。
娘のフィアンセも、新しい年早々に、カルチャーショックの連続だったことだろう。たぶん、いい意味での。
夫の蕎麦は、「外二」といって「蕎麦粉10+つなぎ粉2」の割合だそうです。
赤い服を着ているのが、娘のフィアンセ。ここまでまとまるまでが、長く、大変そうでした。
水を足すタイミングや量が、とても難しいのだとか。
つるつるにまとまって、ようやく伸し始めます。
彼も、がんばっていました。
二つ折りにして。
さらにそれを、折って。
すとんと包丁を落とすように、切っていきます。
きれいな蕎麦が、できました。
娘も、蕎麦切りに挑戦。
ちょっと太めですが美味しくて、4人でおなかいっぱい食べました。
☆『地球の歩き方』北杜・山梨特派員ブログ、更新しました。
明けましておめでとうございます。
そば打ちを伝授されたのですね。
なんだかのんびりとしていい日本のお正月でしたね。
フランス人のフィアンセ、蕎麦美味しかったでしょうね。
フランスにもそば粉のお料理があるから馴染みのある食材ですよね。
我が家はいつものメンバーでしたが、高齢の母が体調を崩すこともなく新年を迎えたのでほっとしました。
今年もさえさんのブログを楽しみに伺います、どうぞよろしくお願いします。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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