「炊き込みご飯は、やっぱり炊きたての方が美味しいね」
翌朝、夕べの炊き込みご飯を食べて、わたしが言った。
「そうだね。でも田舎汁は、味がしみて夕べより美味しくなってる」
夫に言われて、ああ、ほんとうだと気づいた。
我が家では、鶏肉と根菜の味噌汁を田舎汁と呼んでいる。それが前日より、根菜に味噌が、汁には根菜の旨味がこっくりとしみていた。
食卓での何気ない会話だ。
しかしやはり、作る側と食べる側の心理が、何気ない会話のなかから読みとれる。作る側のわたしは、美味しいものを食べてもらいたいと思い、時間が経った炊き込みご飯の味を気にしていたし、食べる側の夫は、気にしなくていいよという気持ちから、でもこっちは美味しくなったと言ってくれている。
わたしは普段から、ひとつのことに気をとられて全体を見渡せないところがある。だから彼の発言に小さな驚きを覚えることが多い。このときもそうだった。
「あ、田舎汁、ほんとに美味しい。なんで気づかなかったんだろう」と。
同じ家のなかで暮らしていても、性格も立ち位置も違うふたり。だからこそ、何気ない会話のなかに小さな驚きが、そして思いやりが散りばめられている。
そういうものを見落とさず、ひとつひとつ大切に貯金しておこうと思う。
何のために? まあたぶん、ケンカとかしたときのために。
炊き立ての、切り干し大根の炊き込みご飯です。
夫が在宅勤務のある日の昼食です。前日の田舎汁。根菜たっぷり。うちの会社では、去年から週に1回在宅勤務の日を設けています。
関係ないけど、夕べはおでんでした。ふたりなのに大鍋いっぱい(笑)
>たぶんケンカしたときのために。・・・
わかります!ケンカした時、笑いあったあの日々は
何だったのか、取り戻したい、
だから、赦そうか・・・。そんなことを繰り返します。
何気ない会話の中に、相手を思いやる気持ち。
夫婦だからこそ、しないといけないのに、
一番私はそこがおろそかになってるなあと、最近思うことがありました。
お互い様でしょうが・・・。最後は2人ですもんね。
おでん。たくさんですね。でも助かりますね。
白いのははんぺんですか?ふわふわでしょうね。
ぱすさん
そうですよね~けんかしたときのために(笑)
ついおろそかになってしまうっていうの、わかります。
おたがいさまだからこそ、ふたりでいい方向に進めるようにしたいとわたしも最近思います。
おでん、今朝もです(笑)
はんぺんは、紀文のおでん用のはんぺんで、これまで食べたはんぺんのなかでいちばん美味しかったです♩
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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