「『肉のわたなべ』の、魚が充実してるの」
ランチのあと、友人が言うので見物がてら一緒に買い物をすることにした。北杜市では有名な肉屋である。何年か前に行ったときに、スーパーのようにいろいろ置くようになったのだと思ったことはあった。
だけど、「肉屋で魚?」とクエスチョンマークが飛ぶ。
「魚を、おろしてくれたりもするのよ」
彼女も、おもしろがっている様子だ。
行ってみると、見るからに新鮮そうな魚が並んでいた。尾頭付きのものもたくさんある。岩手県産の牡蠣や、九州のサザエも生きている。産地もほとんどが日本だ。聞いたことのない名の魚もある。氷水のなかの鰺も刺身でOKだそうだ。彼女は、ご主人に刺身にしてもらうのだと鰺のワタだけとってもらっていた。
わたしはその晩ひとりだったので、小鯵を200g買った。
ふたたび新玉葱を大量にいただいたので、南蛮漬けにすることにした。これがぴちぴちとした小鯵で、なかなかに美味しかった。
『肉のわたなべ』は、無論肉も充実している。スライス肉の量り売り、塊肉を切り売りしてくれる。
肉にこだわるだけあって、魚も扱うとなったらこだわることとなったのだろう。スーパーのようにレジに並ぶのだが、レジのおばちゃんも元気いっぱいに大きな声を出しているのも小気味好い。
「はいっ! ありがとうございます」「あいっ、おつりねえ」
おもしろい店だ。
バーベキューなどのときには買いに来たこともあるが、普段買い物に行くところとは逆方向なので足が遠のいていた。これから高根方面に行くときには、ぜひ立ち寄ってみよう。
鹿児島県産の小鯵でした。いっぱいいただいた新玉葱を刻んで。
南蛮漬けは、レモン風味。
新玉葱。玄関にごろごろと農家さんが置いていってくださいました。ちょうどランチ前だったので、友人にもお裾分けしました。(もらってもらったという方が正しい!)
ランチは、小淵沢の『Cuckoo(カッコー)』で。
自家製野菜たっぷりランチ。田んぼでお米も作っていらっしゃるそうです。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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