夫のベトナム出張に同行し、4度目のホーチミンにやってきた。
夫はもう10回以上足を運び、去年ベトナム法人を立ち上げた。わたしはサポートするだけだが、法人立ち上げの際には10日ほど滞在したので、だいたいの地理は頭に入っている。ひとりで歩き、バイクの隙間を縫って道を渡り、買い物し、食事もできる。
スパイスやハーブが効いたベトナム料理は最初から好きで美味しくいただいていたが、フォーに入れるパクチーやミントの量も、明らかに増えてきた。
「これこれ、この味!」
わたしのなかでは、すでに”なつかしい味”となったのだろう。
やわらかなニョクマムのスープも、ピリリと辛い唐辛子のアクセントも、生のミントやハーブをたっぷり入れてしんなりさせ香りを楽しみ、ビタミンCもたっぷり摂れるよねっていうほどに生野菜サラダよろしくバリバリ食べることも、すっかり「これこれ!」なのだ。
先日NHK『偉人たちの健康診断』で、”天皇の料理番”と呼ばれた秋山徳蔵をとり上げていた。日常劇場でやっていたドラマ『天皇の料理番』は楽しみに観ていたので、だいたいのことは知っていたが、ドキュメンタリーは細かく解析していておもしろかった。
25歳で大正天皇即位の礼の晩餐会の料理長に抜擢され、そのときに考案したメニューのひとつザリガニのスープは、来客である欧米人が子どもの頃から食べてきたポピュラーな味、”なつかしい味”を選んだという。
人は、”なつかしい味”を、より美味しく感じる。それを100年以上前に20代の若さで見抜いていた類稀なる料理人だったのだ。
しかし大人になってから知った味でも、仲良くなることはできる。
わたしにとって、ベトナム料理は大人になってから仲良くなった友なのである。
会社の方たちと行った「アンドン市場」。
「アンドン市場」のフードコートというか、地下食堂街でランチしました。ビールにストローがついてきた(笑)4度目でも驚くことはいっぱいある。
すごい唐辛子の量! 飾り方がいそぎんちゃくみたい。
香菜もたっぷり。「どのくらい入れるのかな?」と話していたら、お店のおばさんが全部混ぜてライムをしっかりかけるんだよ、とやってくれました。
フー・ティウ。これに、ざざっとのせて。
こんな感じに。(写真を撮るのを忘れていて食べかけ~)みんなでシェアしました。
麺に入っていた唐辛子の魚肉詰め(?)にも挑戦。辛かった~けど、美味しかった~
お洒落に立ち並ぶ建物。
左端の濃いピンクの建物の1階がカフェになっていて、休憩しました。
ピーチ&ミントソーダで、すっきり。ホーチミンは暑いです。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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