今年2回目の鰻を、食べにいった。
鰻とレコードの店「Blowin’ in the Wind」。
5月にも配布された北杜市の「くらし応援商品券」がふたたび届いたので、条件反射的に「鰻」とふたり顔を見合わせた。
年に2回の鰻は贅沢だが、市の「くらし応援券」は、市内のお店で使わなくちゃ。
今回、予約は夫に任せた。Instagramで予約できたらしい。
通された席が前回と同じで驚いたのだが、「できればその席で」とメッセージしたという。
その席、というのは、スピーカーの真ん前。ちょっと耳障りかも、と思う人もいないでもないだろうが、「Blowin’ in the Wind」でかけられるレコードは、夫の趣味にぴったり合うのだった。その音楽は、わたしの身体にもたしかに心地よく響いた。
「何をかけましょう?」
訊かれて、夫はいくつかリクエストしていた。
ホールをひとり切り盛りしている三上さんは、うちの娘と同い年の若者。くるくるとよく動き、忙しいのは見ていてわかるほどなのに「このアルバムが最高なんですよ」と、笑顔で勧め、レコードをターンテーブルに乗せてくれる。
もちろん鰻は無口になって懸命に口に運ぶほどおいしく、しかしそれ以上に、ぼうっとしてしまうほど居心地が良かった。
これこそが、特等席だ。
和と洋の融合を感じる外観。
わたしの席の左手は、横尾忠則のアート。窓の外は霧でした。
そして、右手にどーんと大きなスピーカー。その後ろには、レコードがぎっしり。
壁の上部に描かれたロゴ。かっこいい。
ユーモラスの人形たち。洒落てる!
そして、鰻。肝吸いとお漬物付き。
今回は、九州の千里鰻だそうです。
ウイスキーの樽で作ったというお重は、いつも食べ終わってから撮っている気がします(笑)
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。
管理人が承認するまで画面には反映されません。