焼き物教室で作った作品をとりに、町内の『cafeくじらぐも』へ行ったときのこと。
月2回の手話サークルも春頃からサボったままで、そこで貸していた漫画『聲の形(こえのかたち)』もメンバーに回してもらったままだった。
車で10分の場所にあって、店の前は何度も通っているというのに、立ち寄ることができずにいたのは、たぶん気持ちに余裕がなかったからだ。
久しぶりに足を踏み入れた店内は、何も変わっていなかった。
実際には、季節のものや展示してあるアート、こまごまとしたものなど、多くのものが変わっていたのだが、変わっていないように感じたのだ。
毎日をていねいに紡ぎ、人とのつながりを大切にしている空間であることが、あらためて胸に落ちる。変わらずに日々を過ごすこと。それってなんて素晴らしいことなんだろう。考えると胸が熱くなった。
『cafeくじらぐも』はいつのまにか、自分にとっての「いつも変わらずにそこにあるもの」になっていたのだ。
帰宅して夫に話すと、「店っていうものは、そういうものだよ」と言った。
太鼓橋のあるお庭の向こうの古民家がカフェになっています。
やぎさんたちがのんびり。
大きな黒板が、なつかしい雰囲気を創り出しています。
野菜たっぷりのランチ。
お庭で採ったハーブで作ったハーブティです。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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