ペドロに誘われて、ピントのアーティストたちのアート展へ出かけた。夜7時からだそうだ。
「どうして、夜に展覧会?」と訊くと、
「昼間はみんな、仕事でしょう。たいてい夜か週末に、開催されるよ」という答え。
日本では展覧会は、美術館のように昼間に開催されることが多いが、スペインでは違うらしい。スペインの夜が長いということも、関係しているのだろう。
アート展を楽しんでから、誘われるままにペドロのamigoアミーゴ(友達)が経営するバルへ。
牛肉にこだわりがあるというだけあり、牛の尾っぽのクリームコロッケは絶品だった。
そのバルは、彼が仕事前に毎朝のように珈琲を飲みに来る場所(夜はバルになるが、看板はカフェテリアだ)で、ピントで働く人がやはり同じように来て珈琲を飲み、顔見知りと日々の些細なことなどをしゃべり、それから仕事に行くそうだ。
スペインに来てから、漠然と思っていたのだが、スペインの人たちはよくしゃべる。バルやレストランではもちろんのこと、公園で、スーパーで、歩きながら、男女問わず、ずっとしゃべっている。
一説によると、それが健康の秘訣だという。
だとすると、ペドロは間違いなく健康だ。
写真館を営み、身近な人たちが写真を撮りに来るということを差し引いても、挨拶を交わし言葉を交わす人の多さに圧倒される日々だ。
ピントのカルチャーセンターのような場所で。
ピント出身の大御所アーティストが、地元のアーティストたちに声をかけて実現したアート展だそうです。
興味深い作品も、いくつかありました。「interesanteインテレッサンテ(おもしろい)!」というと、「Si Si!」とペドロ。
その後、ペドロの友人のバルへ。
牛の尾っぽのクリームコロッケ「Croqueta de rabo de vacaクロケッタ デ ラボ デ バカ」。
ふたりの写真家のカメラが並んで写っていて、「interesanteインテレッサンテ(おもしろい)!」
豚の耳のグリル。「orejas de cerdoオレハス デ セルド」。これ、ハマりました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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