新国立美術館に『ピエール・ボナール展』を観に行った。
オルセー美術館特別企画だそうだ。
オルセー美術館には昨年行っているが、ボナールという画家は記憶に残っていない。だが、新聞で特集されていた記事の絵を見ると、不思議と魅かれるものを持っていた。やわらかな空気が感じられた。
しかしその絵『アンティーブ』は、晩年に描かれたものだった。
観ていくと、若かりし頃のボナールは、目に映るものの光と影や静物と人との融合を彼なりに捉えることに夢中になっているように思えた。一瞬の視覚が捉えるものにこだわりを持ち描いたりしてもいた。それらは晩年に描かれたものと比べ、色彩よりも形を重視しているとの解説だった。
ものを形成する形より色彩に重きを置き描くことへと移行していった彼の心の変化は、簡単に解けるものではないだろう。
だが、神経を病んだ妻、その妻と結婚したことで自殺した恋人、第二次世界大戦。暗い方へと落ちていくような日々とは真逆の方向へ、彼は明るい方へ明るい方へと導かれていったのではないだろうと想像することはできる。
人の心の移り変わり、今置かれている場所、そしてそのなかにいて心が求めるところへ向かいたいという気持ち、そんな誰にでもある当たり前のことごとに思いを巡らせる絵画展だった。
ボナールは、仲睦まじい家族のなかで育ち、家族を愛した人だった。
新国立美術館まえの看板です。ボナール家の白猫くんがナビゲーターでした。声は神田沙也加です。
何枚か買ったポストカード。左から『アーモンドの木』『サントリーポスターコレクション』新聞に載っていた『アンティーブ』妻を描いた『浴盤にしゃがむ裸婦』です。
亡くなる直前まで手を入れていたという『アーモンドの木』が印象に残りました。雪のように見えるけれど、白く咲き乱れた花の向こうには空が見えているそうです。
ボナールの生涯は → こちら
こんにちわ。
素敵な美術展に行かれましたね。
膨大なオルセーの貯蔵の中から記憶にとどめるってなかなか困難なことでしょうね。
でも、こうしてまだ出会えましたね。
父が画集を持っていて、「ボナール」という画家を知ったこと、この前、母と話をしたばかりです。
でも、その絵については、詳しくは知りません。
改めて、こうして拝見すると、色彩豊かで、雰囲気のある絵ですね。
私も、実物を見てみたいと思いました。
「アーモンドの木」
私も、雪かと思いました。
ぱすさん
そうですか~お父さまが画集を持っていらしたんですか。
若い頃と晩年の画風の違いは、まるで別人のもののようです。
画風が変わっていくのは、みなそうなのかもしれませんが、心の動きのようなものが見えると、なるほどと納得するような気持ちになりますね。
お母さまと観られるといいですね♩
台風、お気をつけて。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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