東京に出た際、東京駅近くのオアゾの丸善でやっている『片岡球子と巨匠版画展』を、のぞいてみた。入口の案内版の絵に魅かれたのだ。片岡球子という名は知らなかったのだが、平山郁夫や東山魁夷などの絵もありふらりと立ち寄った。片岡球子(1905年-2008年)は、昭和から平成にかけて活躍し103歳で亡くなった日本画家だそうだ。
強烈な色彩とデフォルメされた独自の画風を確立した画伯、と案内にある。目を魅かれたのは、インパクトの強さ故のことだろう。
この版画展に飾られた片岡球子の絵は、富士山がほとんどだった。
太い線で輪郭を入れ、赤や青や黄色などの原色をふんだんに使って描かれた富士は、いつも見ている山梨側からの富士ともたまに新幹線から眺める静岡側からの富士とも違っていたが、如何にも確かに富士だった。ともすると、いつも見ている富士山よりも富士らしく思えてくるほど富士山だ。
青い富士。赤い富士。緑の富士。黄色の富士。オレンジの富士。紫の富士。金色の富士。濃紺の富士。若草色の富士。ピンクに近い色の富士。
色だけではなく、表情も様々だ。
見下ろすような顔。首をかしげるような仕草。天を仰ぐかのような目線。何かをこらえきれないような形相。平面に描かれたとは思えない、己の意志を持った火山の力強さが、胸に迫ってくる。
50歳代で富士山を描き始めて何年か経ち、不意に「おまえはオレを描いていないな」「おまえはオレを何も見ていない」と富士山が言っているように思えたと美術雑誌のインタビューで語ったそうだ。
百歳過ぎてもなお描き続けた、片岡球子。
絵のなかから発せられるパワーは、今50代であるわたしに、
「ここからが始まりなのよ。知らなかったでしょう」
と、高らかに笑いながら語りかけてくるようだった。
丸善入口です。2月5日日曜日まで4階ギャラリーで開催中。
入場無料でした。会場では購入を検討する人の姿が目立ちました。
花と一緒に描かれた富士山も多かったです。
様々な季節の富士山が描かれています。初冠雪や、雪でおおわれた姿も。
様々な場所から、様々なモチーフと描かれていました。
オアゾの入口です。東京駅丸の内北口改札を出るとすぐ前。
オアゾの前で振り向くとこんな感じ。東京駅の工事、まだまだ続くのかな?
オアゾの足もとの石畳には、マンホールモドキがいっぱい。本物のマンホールを隠すためのデザインだとか。
春は桜、秋はとんぼです。夏の葉っぱと冬の木枯らしもあるみたい。
東京に出る楽しみのひとつ駅弁は『鳥めし』でした。
じっと見つめていると片岡球子の絵のように見えてきました(笑)
富士山の様々な表情。
色をのせてのせて、色彩のすべてで描いていますね。
迫力ありますね。
以前、東京駅が新しくなる前に
何度か丸の内ビルあたりをぶらっとしました。
ちょうど、時間つぶしに良かったのと、
そんなに混雑してなくて、お店も充実していた
ような記憶があります。
まだ関西では見かけないお店が多くて
心躍りました。
ぱすさん
ほんと。迫力ありました。力強いんだけれど女性の描いた絵だな~とも思いました。繊細な部分が見えたのかも知れません。
去年会社が東京駅の近くに移転して、東京駅を使うことが増えました。都内に住む友人とランチするのも東京駅周辺が多いんです。お店、いっぱいあって制覇はできそうにありませんね(笑)
ぱすさんがいらしたときよりも増えていると思います。東京オリンピックに向けてホテルもさらに増えるらしいですよ~。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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