長野県茅野市で行われているイベント『八ヶ岳JOMONライフフェスティバル』のひとつJOMONファッション『縄文の衣』を観てきた。サブタイトルには「喜びを伝える風と時間の祝祭」とある。
衣装デザイナー時広慎吾が、縄文時代に作られたであろう四角い布をいく枚も使い、茅野に暮らす人々と創り上げた音楽と踊りのパフォーマンスだ。
「時の精霊たち」が、過去、現在、未来と紡いできた長い年月、地球は変化し続けていく。やがて縄文の時代が訪れ、人々は、黒曜石が地に眠る茅野の地で暮らすようになる。「守矢の民」である。そこへ異民族である「出雲の民」がやってきた。2つの文化は反発しながらも、戦いを選ぶことなく融合していく。
「時の精霊」3人をプロのダンサーが表現し、「守矢の民」「出雲の民」は茅野で暮らす子どもから大人までの男女22人が表現した。
衣装であるTシャツは、創作活動の一環として茅野の土を使い「土染め」したものだそうだ。出演者のほかにも衣装や布を作ったワードローブ担当の市民が、パフォーマンスのサポートをしていた。
はためく様々な色をした布。ゆらめく人間の身体。不安だったり、喜びだったり、驚きだったり、愛や希望までも、布と人の身体の動きが表していく。
ああ、大昔、人は地球と一体だったんだ、と胸に落ちた。
大地と空気と水と森と風と動物と人。時間でさえ同列に並べたくなるほど、フラットな線の上にみんな並んでいたのだ。
なのに人間は、いったいいつから特別な存在になったんだろう。
そんなことを思いながら、八ヶ岳の形さえ今と違っていた頃の風を、空気を、土の匂いを、ただ静かに感じていた。
プログラムです。
会場は小学校の体育館。舞台の上から見下ろす感じでした。
こちらは、茅野駅前のオブジェです。左から「縄文のビーナス」「仮面の女神」この2体の国宝土偶は茅野市で発掘されたそうです。
『八ヶ岳JOMONライフフェスティバル』は、10月22日まで。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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