辻村深月が直木賞を受賞した短編集をWOWOWがドラマ化した2013年の作品。
第1夜「芹葉大学の夢と殺人」
未玖 【 倉科カナ】
雄大【 林遣都】
夢ばかり語り努力しない同期生の雄大に疑問を持ちながらも、離れられない美玖。やがて雄大は、自分を認めてくれない教授を殺してしまう。
第2夜「美弥谷団地の逃亡者」
美衣【 成海璃子】
陽次【 大東駿介】
初体験を済ませたくて出会い系サイトで出会った陽次は、DV男だった。殴っては謝る陽次に、しかし美衣はついていく。殴られても殴られても、相田みつをの詩が好きな優しい陽次についていってしまう。
第3夜「石蕗南地区の放火」
笙子【 木村多江】
大林【 大倉孝二】
あのダサい男は、保険会社に勤める自分に会いたいがために放火したのではないか。36歳独身の笙子の妄想はふくらむ。ところが、男の供述に愕然とすることになった。
第4夜「仁志野町の泥棒」
ミチル【 高梨臨】
律子【佐津川愛美】
小学5年生で転校してきた律子の母親は、窃盗常習犯だった。黙認する大人たち。すべて知っていた親友。ミチルは自分だけが取り残されているような気持ちだった。大人になって、ふたりは再開するのだが。
最終夜「君本家の誘拐」
良枝【 広末涼子】
理彩 【原田夏希】
結婚、出産、マイホーム。階段を上るように順調な人生を歩むことを目標にしてきた良枝は、しかし待ち望んだ赤ん坊の夜泣きにノイローゼになっていた。そんなある日ショッピングモールで赤ん坊が誘拐されて。
観終えて、タイトル『鍵のない夢を見る』は秀逸だと感心した。
ダメ男を好きになってしまった女、恋人に殴られても離れられない女、自分のプライドを捨てられず相手を見下す女、善も悪も友達もすべて定義を見失う女、既成の階段を上ることにしがみつく女。
女たちはみな、夢に辿りつく入口の鍵を探しあぐねていた。それはもう、とうに失くした鍵だというのに。
最終夜、良枝に親友の理彩が言った言葉が印象的だった。
良枝はさ、人生設計が階段、階段って感じで、踊り場がなかったのかもしれないね。
第1夜、自己中な恋人に振り回される未玖役の倉科カナ。
第2夜、DV男と別れられない美衣役の成海璃子。
第3夜、行き遅れたことを気にしつつ理想を捨てられない笙子役の木村多江。
第4夜、小学生時代、泥棒の娘と親友だったミチル役の高梨臨。
最終夜、育児ノイローゼになる良枝役の 広末涼子。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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