恵比寿にある東京都写真美術館に「星野道夫~悠久の時を旅する」を観に行った。ホームページには、こうかかれている。
少年のころから北の自然に憧れ、極北の大地アラスカに生きた星野道夫。取材中に事故で亡くなり、25年以上を経た現在においても、心打つ大自然や動物の写真と美しい文章で、多くのファンを魅了しています。北極圏の大自然、そこに息づく野生動物や人々、そして語り継がれた神話……。星野は多くの「出会い」を通じて思索を深め、写真家として成長していきました。
一枚一枚の写真を見て、星野道夫が写真家であることも大自然を相手にしていることも知っていたのに、これまでまったく見てこなかったのだと思い知らされた。そしてその先にあった大自然そのものに、圧倒されたのだった。
カリブーと呼ばれる、野生のトナカイの大移動。
獰猛なのに可愛い顔をした熊、グリズリーの家族。
氷の上にたたずむタテゴトアザラシ。
たわむれる、真っ白いホッキョクグマの親子。
そして、その地で出会った人々。
素晴らしい。なんという迫力だ。と、アラスカの大自然に魅せられる人は多いだろう。
だがたとえどんなに強く惹きつけられたとしても、その土地に根を下ろしてまで写真に収めようとする人は希だ。
そんな希な人物が、大自然をカメラに収め一瞬を切り取ることによって描こうとしたのは、人が、動物が、大自然のなかで「生きる」ということなのだと、写真展の会場に立ち、ただただ呆然と感じていた。
星野道夫は、数々の著書に多くの言葉も残している。
僕はアラスカの冬が好きだ。生きものたちは、ただ次の春まで存在し続けるため、ひたむきな生の営みを見せてくれる。それは自分自身の生物としての生命を振り返らせ、生きていることの不思議さ、脆さを語りかけてくる。自然と自分との壁が消え、一羽の小鳥に元気づけられるのは可笑しなことだろうか。
「イニュニック [生命] ~アラスカの原野を旅する 」より
トップの写真の画像は、お借りしました。
「星野道夫事務所公式サイト」ギャラリーで、何枚かの写真を見ることができます。
東京都写真美術館、入口。
反対側から出て、恵比寿駅方面に歩きました。
振り向くと、こんな感じ。
ヱビスビールの街。洒落ています。
☆今日、1月17日。阪神淡路大震災から、28年経ちました。
亡くなられた方々のご冥福を、そして、被害に遭われた方々が心安らかな日常を過ごすことができるよう、お祈りします。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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