2009年公開映画『おと・な・り』。
〈cast〉
聡【岡田准一】30歳のカメラマン。モデルのシンゴを撮り名を知られるが、ほんとうは風景写真を撮りにカナダへ行きたいと模索中。
七緒【麻生久美子】花屋で働きながら、フラワーデザイナーを目差しパリ留学を目標にしている。30歳。
シンゴ【池内博之】ある日、行方をくらます。
茜【谷村美月】シンゴの子をお腹に宿す、恋人。
〈story〉
聡は、友人で売れっ子モデルのシンゴの写真集を出し、カメラマンとして名を売るが、撮りたいのは風景写真だとわかっていた。
七緒は、働きながらフラワーデザイナーとしてパリに留学するため、フランス語の勉強を続けている。
都会の古アパート(壁は薄いが、洋風で洒落ている)で、ふたりは隣同士の部屋で互いの生活音を聞きながら暮らしていたが、面識はない。
七緒のフランス語や鼻歌を、聡は聞き、聡の珈琲豆を挽く音を、日々七緒は聞いていた。
ある日、聡の部屋にシンゴの恋人だという茜が転がり込んできて……。
隣の(にぎやかすぎる)出来事に肩をすくめていた七緒は、突然気にも留めていなかった男に告白される。
普段は意識してないんだけどすぐそばにあって、それがなくなるとなんとなく淋しくなる音っていうのかな。
「基調音(きちょうおん)」という言葉を、七緒は彼に教えられた。
風に木の葉が揺れる音、雑踏のざわめき、水がたゆたう音、野鳥のさえずり。
慣れ親しんだ基調音には、人の心を癒やす効果があるそうなんです。例えば心臓の音。心音も、そのひとつ。
男は、語る。
人は大人になっても、自分のなかにある、そういう基調音みたいなものを追い求めているんじゃないのかな。
男の告白も上の空で七緒は、聡の部屋の音を思うのだったが。
すれ違いストーリー。
可愛らしく洒落たホットウォーミングな恋愛映画だった。
関西弁のめちゃくちゃ明るい茜役、谷村美月が微笑ましく、彼女が作ったいかにも美味しくなさそうな餃子が、泣けるシーンで笑いを誘っていた。
ひとりの夜に、オススメ。
30歳の麻生久美子。可愛い。
カメラマン役の岡田くん。最初岡田准一だとわからないくらい若かった。
☆画像は、お借りしました。
七緒がいつも歌っていたのは「風をあつめて」でした。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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