売れ過ぎていて敬遠していた小説『コーヒーが冷めないうちに』を、映画で観ることになるとは思わなかった。
ごく親しい人にススメられたのだ。おもしろいよ、と。
あらためて知る。わたしはこの”おもしろい”という言葉に弱いのだと。
「おもしろい、のかあ」
それだけで、ふらふらと近づいていってしまう。
実際、映画『コーヒーが冷めないうちに』は、おもしろかった。
わけもなく遠ざけていたものを、誰かのひと言で受け入れる。これもまた、おもしろい。
〈ストーリー〉
喫茶店『フニクリフニクラ』には、過去に戻れる席があるという。ただし、そこにはいくつかのルールがあった。
1. 過去に戻って、どんな事をしても、現実は変わらない。
2. 過去に戻っても、喫茶店を出る事はできない。
3. 過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ。コーヒーが冷めないうちに飲み干さなければならない。
4. 過去に戻れる席には先客がいる。席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ。
5. 過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない人には会う事ができない。
それでもどうしても過去に戻りたいと、その席に座った4人の物語だ。
〈キャスト〉
ケンカ別れした幼馴染みのカップル、賀田多五郎(林遣都)と、清川二美子(波瑠)。
認知症の妻・佳代(薬師丸ひろ子)を見守る夫・房木康徳(松重豊)。
仲たがいしたままの妹・久美(松本若菜)を事故で亡くした常連客・平井八絵子(吉田羊)。
そして、『フニクリフニクラ』で珈琲を淹れる時田数(有村架純)と、数に恋する新谷亮介(伊藤健太郎)。
過去に戻って何をしても、現実は変わることはない。それでも会いたい。それでも知りたい。それでも言っておきたいという強い思いから彼らはタイムスリップした。そして過去に戻った彼らは、知り得なかったことを知ることになる。
親しい人はみな、それぞれに打ち明けられずにいた思いを持っていた。
ああ、そうか。きっと誰もが、胸に秘めた思いを持ちながら暮らしているのだ。思いを温めながらも、言葉にしないと伝わらないことに気づかずに。
あの日に戻れたら、あなたは誰に会いに行きますか?
予告編の言葉だ。わたしは、いつの誰に会いに行くだろう。
映画の余韻とともに、この問いが静かに残った。
パソコン画面を撮影してみました。個人的には、波留の気が強いバージョンの演技と、松重豊の白髪頭にした夫役が好きでした。
この映画、良かったのですね。気になっていました。
売れすぎて、敬遠。それ、わかります。
本当に、面白いの?って疑いたくなる気持ちってありますね。
最近、邦画をテレビで放映するのが、早いと思いませんか?
そのうち、地上波でするかなって・・思ってしまうのです。
ぱすさん
おもしろかったですよ♩
ネットレンタルで観ました。(ポイントで無料でした)
おもしろかったのは、いい役者さんが揃ってたってこともあると思います。出ている役者さんも、観るかどうか考えるポイントですよね~
地上波でも、すぐに観られそうですね。おススメです。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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