新海誠監督最新作アニメーション、映画『天気の子』を観た。
〈story〉
閉塞感から離島を飛び出した帆高は、東京をさまよううち、フェリーで出会った須賀の事務所に住み込みで働くようになる。雑誌の特集にと”晴れ女”の存在を調べるうち、ホンモノの晴れ女である陽菜と出会い、それで稼ぎ始めるのだが、やがて東京は異常気象に見舞われてゆくのだった。
〈cast〉
森嶋帆高【醍醐虎汰朗】離島から家出して、東京にやってきた16歳、高校生。
天野陽菜【森七菜】帆高が出会った少女。小学生の弟とふたりきりで暮らす。祈ることで空を晴れにできる不思議な力を持つ。
須賀圭介【小栗旬】小さな編集プロダクションを営むライター。42歳。
夏美【本田翼】須賀の事務所で働く女子大生。持ち前の好奇心と探求力で取材に奔走する。愛車はカブ。
天野凪【吉柳咲良】陽菜の弟。小学生だが大人びた言動で、女子たちに人気。
映画パンフレットには、こうある。
作品の柱としていちばん根本にあったのは、この世界自体が狂ってきたという気分そのものでした。
新海誠監督の言葉だ。
現実における気象変動も、その一因は僕たちの日常生活にある。なにげなくエアコンを使い二酸化炭素を排出し、もちろんそれは生きていくうえで必要なことだけれど、僕たちは今の世界の形をそうやって絶え間なく選択し続けているのだといえます。
そんな誰もが持つもやもやとした思いという柱があり、この映画は生まれた。
ただの空模様に、こんなにも気持ちは動くんだ!
こちらは、青空を見上げあふれでた帆高の言葉。
どんなに力がある人にも思う儘に操ることができない空の大きさと、それを受けとめる人の毎日の小ささを思った。
親を亡くし弟とふたりで生きる陽菜の貧しい暮らしにも、家出少年帆高の毎日にも、その小ささゆえにいくつもの光輝く悦びが満ちあふれていた。
これ以上僕たちに何も足さず、僕たちから何も引かないでください。
このセリフに、ささやかな悦びの尊さを思う。
映画パンフレットです。
空の上の印象的だったシーン。
帆高と陽菜の青春の物語でした。エンディングに流れたRADWIMPSの『愛にできることはまだあるかい』の透明感がまだ残っています。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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