同じ明野町にある、さくらんぼ農園を取材した。
さくらんぼ狩りもできる観光農園がほど近い場所にあり、今ちょうど、さくらんぼの王様とも言われる佐藤錦が旬を迎えている。
美味しいのは、知っていた。さくらんぼの時期になると、たいてい買いに行く。毎年恒例のことと言える。そして、買いに行って毎年のようにビニールハウスのなかを覗いていたので、さくらんぼが可愛らしいことも、宝石のように美しいことも知っていた。……はずだった。
ところが、目でさくらんぼ狩りをするが如くさくらんぼの写真を撮りながら農園のなかを歩いていくと、親しいと思っていたさくらんぼが違う顔を見せ始めた。何が違うのか、はっきりとはわからないが、見知っていた顔ではない。
真っ赤な実は太陽の光を浴び、よく宝石と形容されるそのままに美しい。
だがその美しさは、これまで知っていた美しさを遥かに超えていた。
木に生っている姿を、間近で見たからだろうか。生命の光のようなものを放っている。それが何ともチャーミングなのだ。
すっかり知っているつもりになっていることでも、まだ見ぬ世界が隠されている。たぶん、多くの親しく見知っているものたちのなかにも。
ほんとうに綺麗。
宝石みたい。
何とも可愛らしい。
写真を撮っては、見とれながら歩きました。
☆『地球の歩き方』特派員ブログ、更新しました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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