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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

みんな猿に見えてくる

林を隔てたお隣りさんと、立ち話をした。

「2階のベランダに、猿らしき足跡がついていたのよ」と、彼女。

「えーっ、怖いですね。何しにベランダに上ってきたんだろう?」と、わたし。

「ほんと、怖いわよね。猫がいるからのぞきに来たのかしら」

「そう言えばきのう、誰もいないのに積んでおいた薪が崩れたんですよ」

「それは、猿かも知れない」

「猿かも知れないですよね」

 

それからというもの、どうもすぐそばに猿がいるような気がしてならない。

ベランダの屋根はプラスチックの波板で、ときどき大きな音がする。音がすれば猿だと思いのぞくが、音の割には小さな野鳥、シジュウカラやヤマガラだったりする。また屋根の上で音がする。猿だと思い、窓から見上げてみると不敵にも我が家に穴を開けようとしているアオゲラだったりする。野鳥たちは、こちらが監視しているぞという態度を見せれば、さっと飛んでいくので怖くはない。

だが、猿は怖い。車で見かけても、威嚇してくる強気な奴もいる。怖いから気になって、用もないのに家の周りを歩いてみたりする。2階のベランダをそっとのぞいてみたりもする。動くものが目の端に映ればハッとするが、猫が呑気に歩いているだけだ。残念ながら、まだ猿にはお目にかかっていない。

 

幽霊の正体見たり枯れ尾花。

幽霊が出そうだと思っているから、枯れすすきが幽霊に見える。それと同じで、猿がいる、猿がいると思っているから、猿がいるように思ってしまうのだ。

そうと判っていながらも、猿がいると思う自分を止められない。だんだんと、何もかもが猿に見えるようになりそうで、それもまた怖い。

「さてと、そんなこと言ってられないぞ、師走はすぐそこだ」

気持ちを切り替え、年賀状の準備でもしようと今年いただいた賀状を出し、住所変更などの確認をした。

するとそこには――、猿、猿、猿。そう、すっかり忘れていた。今年はサル年だったのだ。まさかこんなところでシンクロニシティしてくるとは。

「もうすぐ、きみたちの年はおしまいだ」

猿に恨みはないけれど、さっさと終わらせたくなって、のんびり屋のわたしとは思えない速さでサクサクと作業を進めたのだった。

cimg1398お隣りとの間にある林では、漆が紅葉しています。

cimg1401

同じ漆でも、紅葉の仕方も様々です。漆、猿もかぶれるのかな?

cimg0974見上げると、野生のキウイが生っています。ずいぶん減っていたような。

やっぱり、猿だろうか。いや、熟れて落ちたのかも。

cimg1360マムシグサの実です。赤くてきれいだけど毒があるそうですよ、猿くん。

cimg1403蔦が、木に絡まって葉を伸ばしています。

cimg1363まるで木の葉みたいですが、絡まっているだけの蔦です。

cimg1409足もとの倒木には、これから伸びていく若い蔦の姿があります。

cimg1410こんなふうに木を傾けしまうほど、太く長い蔓に成長していくものもあります。

蔓に手をかけ、軽々と登っていく猿の姿が目に見えるようです。

COMMENT

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  1. papermoon より:

    さえさん、こんばんは~♪

    さえさんが住まれている場所は自然がいっぱいなんですね~!
    お猿さんというと愛嬌のある姿がイメージできるけれど、
    実際に野生のお猿さんはちょっと怖いかもしれませんね。
    もしかして熊とかも出没しますか?
    私はお猿さんよりも熊のほうが怖いので、足跡があっても、
    「お猿さんでよかった・・」と考えるようにするかも。

    前にブログで名前を教えてもらったマムシグサの実、懐かしいです。
    紅葉がすごくキレイ~!
    気温が低そうですが、風邪をひかれないようご自愛くださいね。

    • さえ より:

      papermoonさん
      こんにちは~。
      熊、町内では目撃情報、毎年ありますよ。小学生は熊鈴をつけてちりんちりん鳴らしながら登校していきます。猿は目撃しても情報にはなりませんが(笑)猪も狸も狐もいますよ。
      猿でよかった・・・ですか。なるほどー。わたしもそのくらいに考えることにします。
      急に気温が下がったので、着こんでいますよ~。ありがとうございます。

  2. ユミ より:

    こんにちは♪
    猿ですか~、野生の猿って怖いですよね。
    主人の赴任先も田舎の方で、行く道中でイノシシや鹿に遭遇する事もたまにあります。
    私の住んでいる所は、野生動物には縁がない街中、と思っていたら、最近アライグマが出没しているんですよ。
    関西の街中でアライグマが出ているのをテレビで見たので、自宅周辺だけじゃないみたいです。
    お墓参りに行っても、「お供え物の食べ物は置いて帰らないように、アライグマの餌になりますから。」っていう立て看板もありました。
    犬ほどの大きさのアライグマらしいです。
    私もまだお目にかかっていないのだけれど・・・
    当分、猿やアライグマに注意の日々は続きそうですね~

    • さえ より:

      ユミさん
      こんにちは~。
      えっ?街中でアライグマですか。動物たちも生きる場所を求めているんでしょうね。
      田舎でも猿だけじゃなくて熊が山から下りてくる問題が深刻です。開拓されて山で住めなくなって下りてきた動物たちをまた人間が追い払うっていうのも可哀そうだなとも思います。
      この辺は、昔から猿も鹿も猪も住んでいる場所なので、彼から見たらわたしたちの方が新参者なのかも知れませんね。

  3. ぱす より:

    こんばんわ。
    昨日、楽しく拝見していながらコメントが遅れました。
    すみません。
    ちょっとスリリングな毎日なんですね。
    「猿出没情報」・・油断なりませんね。

    我が家近くでは、最近鹿の目撃情報が頻繁ですよ。
    「車に、ひかれていた。」「お墓の近くに立っていた」
    それで、私も先日信号待ちをしていたら、森の茂みに子鹿を2匹目撃しました。
    親も近くにいたのかも知れませんね。
    あんな子たちが、まだ怖さも知らずに国道に下りてくるかと思うと、お母さん鹿の事を
    思うと、いたたまれない気持ちになりました。どうか、下りてこないで・・・。
    山の中でひっそりと、生きていて欲しいと思うのは人間のエゴですね。

    猿、気をつけてくださいね。
    うるしの紅葉、きれいですね。色が微妙に違いますね。
    でも、見ているだけですね。

    • さえ より:

      ぱすさん
      こんにちは~。
      ぱすさんがお住まいの辺りでは、鹿がいるんですね。こちらでも鹿も何度か遭遇したことがあります。猿は人間慣れしているのか車で近くを通っても逃げない強者もいます。家の周りでばったりは、避けたいです~。
      確かに人間のエゴを押し付けて動物たちには暮らしにくい生活を強いているのかも知れませんね。
      漆、ひとつひとつ違って、きれいです♩

PROFILE

プロフィール
水月 さえ

随筆屋。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

夫が営む広告会社で経理を担当。

2012年から随筆をかき始める。

 

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。

 

『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

随筆かきます。

 

依頼はメールフォームからお願いします。

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