きのうの朝7時。夫を駅まで送っていったときのこと。
空には、様々な種類の雲が浮かんでいた。
富士山の周囲にはいくつもの小さな笠雲が、西には雨雲のような濃い灰色の雲が白い雲と交差するさまが、東の方にはうろこ雲の始まりのような終わりのようなものが見える。
「あのうろこ雲は、始まりなんだろうか。それとも終わりなんだろうか。始まりと終わりって、似てるんだよな」
ちょうど運転中リピートして何度も聴いていたイーグルスの『Desperado (デスペラード)』の、イントロとエンディングのピアノが同じメロディだったからか、ふとそんなふうに考えた。そう言えば、伊坂幸太郎の小説『重力ピエロ』(新潮社)も、「春が二階から落ちてきた」で始まり、同じ言葉で終わる。
うろこ雲が始まって、終わっていく。大気に紛れるのか、新しい雲になるのか。
一日が始まって、終わっていく。そしてまた、新しい一日が始まる。
恋が始まって、終わっていく。すぐに、新しい恋が始まるかも知れない。
始まりがくっきりと見えるものもあるし、曖昧なものもある。終わりも然りだ。
生きている限り、始まりと終わりはつながっている。何かが終わってはまた始まり、そしてまた何かが始まっては終わっていく。始まりも終わりも、ずっとずっとまだ途中だ。終わりがあるから、始まるものもたぶんある。
うろこ雲に似た雲は、人がつけた名前などに捉われまいとしているかのように、静かに形を変えていった。
富士山の左上には、笠雲が飛んでいくように浮かんでいました。
これも笠雲と似ています。うろこ雲の始まりかと思ったのは右上の方。
でも、うろこ雲になることもなく、空に散っていきました。
西の空。雨雲の名残と、たなびくのは豊旗雲(とよはたぐも)かな。
南アルプス鳳凰三山の上の方にも、様々な雲が。
けろじも空を見上げていました。雨降るかな? って空を見てるのかな。
偶然にも、今ずっと車の中で聞いてるのが、イーグルスのTheir Greatest Hitsで、その中でもデスペラードが一番好きです。
思わず嬉しくてコメントしてしてしまいました。(笑)
「生きている限り、始まりと終わりはつながっている。何かが終わってはまた始まり、そしてまた何かが始まっては終わっていく。始まりも終わりも、ずっとずっとまだ途中だ。終わりがあるから、始まるものもたぶんある。」
とても深くていい思いですね。
友達に今、辛い人が居て、その人にさえさんの言葉、伝えてあげたいって思いました。
手放すことで、新しい何かが手に入るって事と、きっと似たような事なんだな~って思いました。
ユミさん
それ、同じアルバムです♩なんかうれしい~♡
わたしもデスペラードが好きでよくリピートしちゃうんです。あとラストに入っているベストオブマイラブも♡
何かが終わるときって、辛かったり切なかったりすることもありますよね。
わたし自身、詳しくはかけないほど何年か前に辛かった体験があって、でも今はそれがあったから、今の自分があるって思えるようになったなあって、ちょっとセンチメンタルに空を見上げていたんです。
「手放す」って、いい言葉ですね。似ているのかも知れませんね。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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