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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

昇仙峡を歩いて

甲府随一の観光スポットである『昇仙峡』を歩いたのは、なんと15年以上も前のことだ。

越してきたばかりの頃に東京から遊びに来た友人たちを、子どもたちを連れて案内したのだが、誰と誰がいたのかもすでに霧のなかである。

その場所はしかし、いつもエッセイサークルに行く道をそれて20分も走れば着くほどの距離にあった。こんなにも近かったのかと、まずそのことに驚いた。そして、その風景をまったくと言っていいほど覚えていないことにまた、驚いた。

今思えば、風景を胸に刻むことよりも、ほかにたくさんのことごとが胸に頭に渦巻いていたのだと思う。何しろキャパシティーがいっぱいいっぱいだったのだ。

 

のんびりと紅葉を楽しみながら、渓谷の湿った空気を身体じゅうに感じ歩けるようになったのは、子どもたちが巣立った今でこそなのだろう。

先日会った友人が、しみじみ言っていた。

「わたしはふたりの子育てをいっぺんにできるほどのキャパは持ち合わせていないんだと思う。だから10歳離れたふたりの子を授かって育てられて、よかったと思ってる」

3人の子どもを育てるキャパなんて、もちろんわたしだって持ち合わせていなかった。だからきっと、こぼれ落ちたものが数え切れないほどあるのだと思う。

「昇仙峡の紅葉も、きっとそのうちのひとつなんだろうな」

 

そう考えると『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員になり、今こうして山梨のいろいろなところに行き、様々なものを見たり知ったり出会ったりしていることは、そのときどきにこぼれ落ちたものたちを、拾い集めていることと似ているかも知れないとも思えてくる。

どちらにせよ、昇仙峡の紅葉は静かにわたしを迎え入れてくれ、渓谷沿いの湿った空気は気持ちよく身体に沁みていったのだった。

昇仙峡の入口とも言われる長潭橋。昇仙峡の紹介記事は → こちら

頂上の石の上で覚円禅師が修行したという覚円峰。

花崗岩でできた石と石の間がかすかに空いている石門。

だけど何でもない渓谷沿いの道の方が、好きかな。

そして、花より団子(笑)

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PROFILE

プロフィール
水月 さえ

随筆屋。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

夫が営む広告会社で経理を担当。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。

『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

随筆かきます。

 

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