庭で、不思議なかたちのキノコを見つけた。
薄茶色の球体。スーパーボールよりちょっと大きめのその丸いものの周りには、星形ともいえるが、どちらかといえば蛸の足に近いようなひび割れたものが伸びている。足の方は、グレー。モノトーン系だ。
どう見ても、毒キノコっぽい。
家にあるキノコ図鑑を、開いてみた。
偶然にも、開いたページにそのキノコが載っていた。300ページほどある図鑑の192ページだったのに、不思議なことはけっこう起こる。
「ツチグリ」という名だそうだ。
土に生る栗のようだから、らしい。
溶菌は地中にあり、これを煎って食べるとうまいという。
食べられるようだが、わざわざ食べたくはない感いっぱいだ。
別名「星の湿度計」とも呼ばれているという。
湿度の高い日には外皮がはじけて星型になり、よく晴れた湿度の低い日には外皮をつぼませる。まるで湿度を計っているようだからと、その名がついたらしい。
ちなみに、ボール型の部分に胞子が詰まっていて、乾いた日に外皮に圧迫されるとそれを放出散布するそうだ。
地球上には、こうして息づくたぶん知ることのない命があふれているのだろう。
見た途端、わ、これなに? となりました。
こんなふうに、地中からじわりじわりと生まれてくる感じ。
なんか、動き出しそうに見える。
すぐ近くに、ツルウメモドキ。
赤い実と橙色のガク(?)。コントラストが可愛い。
トイレの窓の一輪挿しに、挿しました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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