いつもと違う道を通ったら、思いがけず花桃の綺麗なお寺を見つけた。
知らない道ではないが、通ることは少ない。これまで気づかなかったのは、この季節に通ったことがなかったのだろう。
急いでなかったので、車を停め、花桃を愛でた。
不思議な木である。同じ木に色の違う花が咲く。
赤に近いピンク。白。白にピンクの模様が入ったもの。薄いピンク。
赤白2種類の花が咲くのを、源平咲きと言うそうだ。源氏の旗が白で、平家の旗が赤だったからだとか。
同じ木に咲き、違う色の花を咲かせる。
兄弟姉妹のようだ、とふと考える。同じ親から生まれ、まったく違う人格を形成していく。似ているところはあるけれど、似ていないところも多々ある。
そして人は変わっていく。日々何かに影響され、個としての自分を知らず知らずのうちに積み重ねていく。
たとえば、今日この道を通り花桃に触れた自分と、違う道を通った自分とでは、たぶん何かが違っている。そして、行く道を決める方向に確固たる信念があるならまた、道々に見える景色は違って見えてくる。
その小さな違いが、きっと違う色の花を咲かせていくのだ。
道沿いに並んでいたので目を魅かれました。
『長龍寺』というお寺でした。参道が並木になっていました。
花桃の並木は、お祭りのようなにぎやかさを感じますね。
濃いピンクと白にピンクの模様が入った花が混在しているのがおもしろいです。
白だけの木もありました。大粒の華やかなお花ですね。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。
管理人が承認するまで画面には反映されません。