道路の雪はほとんど溶けたが、まだまだ辺りいちめん真っ白だ。
きのうの朝、手話サークルに向かう道々、田んぼの雪が風に舞い道路を渡っていくのを何度も見た。ああ、風にもかたちがあるのだなと、あらためて思う。
これも「風花」と呼ぶのだろうかと、家に帰ってから、空の写真図鑑のような本『空の名前』(光琳社出版)を開いた。
「風花」ではなく「地吹雪(じふぶき)」らしい。
雪が降り止んで青空が見えてきても、強い風が治まらないと、一日積もった雪が空中に舞い上がります。これを地吹雪と言います。地吹雪が起きやすいのは、粉雪のような、乾いた雪の時です。風が弱い場所には、吹き溜まりができます。
車の前を横切る地吹雪に、もちろんスピードを緩めることはない。
だがまるで、風の親子が手をつないで笑っているのが見えたような気がして、微笑ましい気持ちになる。くるくる踊っているのはおしゃまな女の子かな? ひとりだけ走っていくあの子はやんちゃ坊主かな? お母さんもたいへんだ。
透明人間が小麦粉をかぶったみたいに、突然姿が見えるようになった風たちは、ちょっと慌てているようにも見える。雪はときおり陽の光をきらきら反射させ、風たちは着飾った姿が自慢げであるようにも見える。
いつもは見えない「風のかたち」を見せてもらい、思う。雪が白くてよかった。美しく眩しい白でよかった。
韮崎駅方面へ抜ける農道です。両側に田んぼが広がっています。緑の季節はそれはきれいなんです。地吹雪、この道で何度も見られました。
反対側を見ても真っ白な田んぼが広がっています。
鳳凰三山も、韮崎まで来ると雰囲気変わるなあ。
これは、ウッドデッキで雪と戯れるシジュウカラ。
雪をついばんでは首を振って、食べてるのかな? 楽しそうに見えました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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