トイレに飾る花を探して、庭を歩いた。
この季節、もう咲いている花はなく、アイビーの葉と野葡萄の実でもと思ったのだが、野葡萄の色づきが悪く美しくない。ばかの花はあちらこちらに咲いているが、それも見栄えがしない。
ツルウメモドキの実は、まだ橙色のガクのなかに収まっている。だが、なかから赤い実が顔をのぞかせているものもちらほらあったので、そこを選んで飾ることにした。
ハサミでちょうどいい長さにカットし、トイレの窓際に飾ると、赤とオレンジが目にまぶしくホッとする。いい感じだ。
そして飾ってから小一時間経つと、リースなどにして売っているツルウメモドキのドライフラワーのように、ガクがきれいに開いていた。
「水を吸ったからかな? それとも、陽が当たるから?」
夫に言うと、ただ「植物って不思議だね」と返ってきた。
しかしその翌日、庭のツルウメモドキを見ると、なんとほぼすべての実が、橙色のガクを開き、つるりと赤い実を見せていたのだ。
飾ったその日が、ちょうどガクを開く「とき」だったのか。
わかったことは、ツルウメモドキは、ほぼ1日で橙色のガクをすっかり開くということだ。
トイレの写真で、すみません。ガクを開いた姿です。
鳥が種を落としていったのか、庭に自生したツルウメモドキです。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。
管理人が承認するまで画面には反映されません。