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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

光の加減で

  • 明野から、美しい富士山を観た。

こんな富士は久しぶりだった。

近隣から観る富士山は、昼過ぎまで太陽を背にしていることが多い。もし正面から太陽に照らされていたら、もっと美しいのではないかと思うこともある。

だが先週観た富士は、違った。

思わず車を停め、ゆっくりと眺めた。

曇り空のなか、ちょうど富士山の上にぽっかりと空いた雲の穴から陽が降り注ぎ、やわらかに山肌を照らしていた。降り積もった雪が、不規則なストライプ模様を作っている。光り輝く、という感じではないがハッとする。

富士山の真実に近い姿を見たような気がした。

 

光の加減で、見えるものは違ってくる。

日本一高い場所にそびえ立つ富士山でさえ、特別ではない。

人間の世界で、突然照らし出され、たまたま見えたり、陰に隠れ一瞬見えなかったりすることごと。そんなことが図らずも思いがけずあることなどは笑ってしまうほど当たり前のことだと、富士山は声に出さず、しかしたしかに言っていた。

午前中は、背後に陽を浴びていることが多い明野から観る富士山。曇り空から射した陽が、山肌をやわらかに照らしていました。

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PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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