日曜日。所用で清里に出かけた際、八ヶ岳高原大橋を通った。
前日の雲がかかった八ヶ岳に心配していたのだが、八ヶ岳おろし、強い北風が吹くだろうとの予想を裏切り、穏やかな陽気だった。そして雲を払いのけた八ヶ岳は、少し濃いめの雪化粧をし、さも気持ちよさそうに陽の光を浴びていた。
毎日のように見ている八ヶ岳だが、市内を30分ほど車で走っただけで、違う形になる。近づいているので、迫力も増す。
「アベックが、1組だけいる」と、駐車場を見て夫。
「アベックって、死語じゃない?」と、わたし。
その展望用の駐車場に車を停め、しばし八ヶ岳を眺めた。
「きれいだね」
いつも見ているのに、ついため息交じりに言ってしまう。
美しいものを見るとため息が出るのは、それが心地よいからだろう。
「美」と「心地よさ」とは、たぶんつながっている。
空を見ても、花を見ても、アートを見ても、美しい人を見ても。
そのあと風邪が治ったばかりのわたしは早々に車に引き上げたが、夫は長い時間、一眼レフを構えていた。山の空気を吸い込むように、彼のなかにもいっぱいに、この心地よさが広がっているのだろうなと思った。
「増えたね。アベックが、4組」死語だけどと笑いながら、わたし。
「俺たち、中間層くらいだな」夫が、冷静に年齢の比較をする。
8人の人が同じように車を停め、同じように八ヶ岳を眺め写真を撮っていた。それでも、ひとりひとり考えていることや、感じる心は違うのだろう。そんなひとりひとりにきっと、八ヶ岳はそれぞれ少しずつ違った形で「美」や「心地よさ」を感じさせてくれたはずだ。
八ヶ岳高原大橋の駐車場から見た、八ヶ岳です。
最高峰の赤岳も、迫力があるように見えました。
左から、編笠山と権現岳です。
こちらはいつもの定点観測地点から撮った写真。向かって左の編笠と権現は離れて見えるのですが、大橋からだと左側から近づいて眺めた感じになるのかな?
お蕎麦屋さんにも、寄りました。わたしは天麩羅蕎麦。
夫はとろろ蕎麦。温まりました。
清里の『忘れ路』には、山で採れたきのこや山菜の蕎麦もありました。
きれいな山々ですね。
空気が澄んだ冬場は特にきれいですね。
こんな景色の中で暮らしておられること。
うらやましい限りです。
アベック。いつから言わなくなったんでしょう(笑)
カップルってわざわざ言い替えるのもなぁなんて思いながらもカップルって言ってますね。
言葉の変化もいつの間にか、そうなってますね。
私たちの年代はどこ行っても中間層ですね。
どっちもの事がなんとなくわかり、いい時でもありますね♪
ぱすさん
冬は本当に山がきれいです。八ヶ岳は特に好きな山で、日々違った顔を見せてくれるのが楽しみです♩
アベック、若い子たちにも通じる言葉なんでしょうか(笑)子どもの頃、近所にアベック山と呼ばれている坂道だらけで何もない公園があったのを思い出しました。東京もまだ畑だらけの田舎でした。
確かにそうですね。どこへ行っても中間層。
どっちのことも判る年代って、じつは大切なのかも知れませんね~。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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