ふと考える。
もしこの先、違う道を進んだら、未来は何か変わるのだろうか。
なに、大袈裟な話ではない。
ウォーキングしていて、30分ほどの道のりのそのコースを少し外れてみたらという些細なことだ。
もしかしたらそんな些細なことでも、未来は小さく小さく変わり続けていくのだろうかと。
そんなふうに考えるようになったのは、暇を見てマスクを縫うためにミシンを踏んでいるからだ。
マスク自体はそう時間がかかるものではないのだが、久しぶりなので失敗も多い。失敗して糸をほどく作業にけっこう時間を食われてしまう。
たとえばミシンのラインが2mmズレると、仕上がりが歪んでくる。小さなズレは、出来上がり時に大きなズレとなってしまう。だからほどかざるを得ない。
心愉しい作業ではないが、ズレた道を修正することは必要不可欠である。
ミシンの道筋とは違い、散歩道をどちらへ行ってもたぶん何も変わることはないのだろう。
ただ、その道でしか出会わなかった何かがあるかも知れない。
そう考えると、違う道を歩いた自分に問いただしてみたくなる。
もしや、夕飯のおかずに変わりはなかったか、夫と口ゲンカはしなかったかと。
散歩道に、いっぱい咲いていたヒメオドリコソウ。
ハナダイコン。
カキドオシ。
クサフジ。
初めて見る花。三つ葉ツチグリかも知れないけど、不明。
庭に飛んできたルリタテハ。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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