帰って来たら、八ヶ岳がすっかり冬の顔をしていた。
初冠雪で雪化粧した先月には、衣替えを恥じらうような初々しさが見られたが、紅葉の時期を迎え凍った風に何回か吹かれたのだろう。澄んだ青空を見上げ、雪を待つかのような仕草を見せている。
その姿を地上から眺めるススキの穂も、黄色くなって花開いている。
今年は11月が暖かく、紅葉も遅れているらしい。
小春日和が続いている。
天皇陛下の即位を祝うパレード「祝賀御列の儀」の東京も穏やかな小春日和だったようだ。
「小春日和」という言葉は、11月の温かな陽だまりそのままでやわらかい。日本語の美しさを感じさせる言葉のひとつだ。
似たような気候をアメリカでは「インディアンサマー」と、ヨーロッパでは「老婦人の夏」と呼ぶらしく、それぞれに言葉のおもしろさを感じるが、どちらも「夏」というところが日本とは違う。気候自体の違いもあるだろうが、捉え方、表現の仕方の違いもまたあるだろう。
厳しい冬を迎えるまえの静かなひととき。
やわらかく暖かな陽射しをたっぷりと浴び、旅行でたまった洗濯物もよく乾いた。
ゴミ出しロードの帰り道で観たきのうの八ヶ岳。
雪はなくとも紅葉の兆しが見られる最高峰赤岳。
こちらから見ると左にそびえる権現岳。
更にその左手には、南アルプス連峰が雄大な姿を見せています。
甲斐駒ケ岳。
鳳凰三山。
庭ではすっかり色づいた小紫の実が、はじけ始めていました。
あちらこちらで、紅葉も。
ブルーベリーの葉っぱ。
大輪で咲いたテッポウユリは、立派な種を作っています。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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