ソメイヨシノは散ってしまったが、今、山桜が美しい。
きのうの朝も夫を駅まで送る道すがら、ふたり山に点在する淡いピンク色を眺めた。山桜は、ソメイヨシノのようなパッと目を惹くような美しさではないが、ホッとする風景を創り出してくれている。我が家の庭にも咲いているが、風景の一部となっているのを遠目に眺めるのもまたいい。
さて。夫を送って帰ってくると、駐車場脇に咲くキュウリグサが目に留まった。小さな小さな1ミリほどのブルーの花を咲かせる雑草だ。可愛がって、抜かないようにしているので毎年咲いてくれている。小さすぎて遠目には花が咲いていることすらわからない。だから近づいて眺めては微笑んでいる。
山桜が咲くあの山にも、キュウリグサは咲いているだろうか。そう考えると不思議な気持ちになる。遠近法が狂った絵を観ているような感覚だ。
だがそんな感覚も、嫌いではない。たぶん心の遠近法を使うと、心に留めているものの方が大きく感じるものなのだろう。キュウリグサはわたしのなかでは山桜より大きな存在であり、だから実際よりも大きく感じるのだ。
この山の上には、JR中央線穴山駅があります。いつも通る道です。
あちらこちらに咲く桜。種類もそれぞれなんでしょう。
北を向くと、雲に隠れた八ヶ岳の頭だけが見えました。
駐車場に花盛りのキュウリグサです。可愛いでしょう。
ほんとうに小さいんです。ボールペンと比べて。
こっちの方がわかりやすいかな。見えないくらいちっちゃいんです。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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