庭が、花盛りだ。
雪柳は、細い枝に小さな白い花を満開に咲かせている。足もとにはピンク色の芝桜がやはり小さな花を日々開かせている。
去年植えたスノーフレークも、白い妖精のような花をつけ、石垣には、薄紫のタチツボスミレや、濃い紫のスミレが咲き出した。
タンポポ。オオイヌノフグリ。土筆。ホトケノザ。キュウリグサ。雑草諸君も花盛りだ。
森へ目を向ければ、山吹の濃い黄色の花にハッとし、ミツバツツジのわずかに紫がかったピンクに目を細める。その下には、何の主張をすることもなく春蘭が頭を持ち上げるように静かに咲いている。
木々も芽吹き始めた。
新緑の季節は、すぐそこまで来ている。
そんな咲き始めた花々のかたわらで、桜が散りぎわを迎えていた。
白かった花が次第に赤みを帯び、苺ミルクのような可愛らしい色になっている。花びらを落とした花の子房を見ると真っ赤で、この赤が花びらに移るのか、透けて見えるのか。
なにか、目を赤くして涙をこらえているかのようにも見える。
散りぎわだから、終わりを迎えるときだから、そんなふうに思うのは人間の勝手な思い込みなのだろうけれど、やはり切なく感じてしまうのだ。
ほぼ満開の雪柳。
山吹。山吹色大好きです。
花が終わりかけ、苺ミルク色になった桜。
去年植えて、初めて花を咲かせたスノーフレーク。
石垣に集めて咲かせているタチツボスミレ。
森の足もとに顔を出している春蘭。
ミツバツツジのピンクは、独特ですね。遠目に見てもすぐにわかります。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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