しつこく富士山を追いかけている。
何度も前を通りつつも足を踏み入れたことのなかった「赤坂台総合公園」を歩いてみた。
展望台もあり、富士山を眺めるのには見るからに最適と思われた。
そこで、今年初めて間近で梅の花を見ることができた。まだ五分咲きくらいだったけれど、「あ、咲いてる」と思うと、胸が華やいだ。
昨年ちょうど今頃の季節に、「不老園」に行ったなあと思い出す。
甲府に昔ながらにある梅園だ。
東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな
菅原道真公がご祭神だという「梅天神」に掲げられた道真公の歌である。
春の東風が吹いたら、花の香りを届けておくれ、梅の花よ。 わたしがいなくても、春を忘れずに咲くのだよ。
あらぬ罪で大宰府に左遷させられた道真公が、京都の紅梅殿の梅に向けて詠んだ歌だという。
梅の木をとても大切に思い、心を通じ合わせていたからこそ胸に響く切ない歌だ。
花や木と心を通じ合わせることができたら、どんなに素敵だろう。
じっと見上げ、胸の華やぎをくれた梅の花と、静かに微笑みを交わした。
展望台から見た富士山。
見下ろすと広ーい芝生広場と竜の形の植え込みが。
ちらほら咲いていた梅の花。花ほころぶのを見ると、ホッとしますね。
☆『地球の歩き方』北杜・山梨特派員ブログ、更新しました。
コメントが入力された様子で嬉しくなり、こんな時間になったけれどbackしてもう一つ。
富士の姿いいですね。しばらくご無沙汰の富士山です。
芝生広場と竜の形の植え込み?ほころび始めた梅の花も匂うように写されていて素敵です。
「梅天神」に掲げられているという道真公の歌ですが、『拾遺和歌集』には確か
東風吹かば匂ひおこせよ梅の花主なしとて春な忘れそ
と納められています。「・・な・・・そ」と「係り結び」に歌われていると学びましたが、今風に分かりやすい表現に変えれれたのでしょうか。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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