玄関側の石垣に、タチツボスミレを集めている。

どこからか種が飛んできたのだろう。庭のあちらこちらにあったものを、何年か前から石垣に集めている。玄関に立って見てもあまり目立たない場所なので、誰に見せるわけでもなくこっそりと楽しんでいる。

そのタチツボスミレが、とことこ歩くのだ。

スミレの種は、蟻が好む匂いをしていて、種を飛ばしたものを蟻に運ばせ、地中にあるありの巣へと誘導させる。実際には蟻には食べることができず、巣のなかで発芽し花を咲かせることとなる。

なので集めて植えても、また散らばる。それをひとつひとつ探しだし、ふたたび集めている。

「あらあら、こんなところまで歩いてきたの？」

「ここじゃ、車に踏まれちゃうよ」

などとひとりごちつつ、タチツボスミレを探すのが、この時期の楽しみになっている。ふきのとうもそうだが、土の上を歩いて何かを探し出すのって楽しい。たとえそれが、食べられるものじゃなくても。

石垣のあいだに、こんなふうに植えています。

こうして根づいてくれた株も多く、スギナに負けず咲いています。

やわらかなブルーと紫のあいだの色に、ホッとします。

石垣にはまだ隙間がいっぱいあるので、根気強く増やしています。

一輪で咲いている姿も可愛いな。

パンジーと違って、遠目に見るとあんまり目立たないんですけどね～