週明けは気温が上がり、夏日となった。
その朝、山々には見たこともないような雲が空いっぱいに広がっていて、写真に撮る。
空の写真図鑑のようなカラー本『空の名前』を開くが、名が断定できない。
「鰯雲」のようでもあり「筋雲」のようでもあり「水まさ雲」のようでもあるし、そのほかの雲も合わせていろいろな高さの雲が大集合したようにも見える。
八ヶ岳にも「霧雲」の種類がかかっているし、空を高く高く流れる雲、地面から最も近い低い場所を浮遊する雲、その中間に浮かぶ雲とがありそうだ。
低い雲は、山より低い1,000mほどの場所にあるが、高い雲は、18,000mに及ぶこともあるという。
雲同士、同じ空に浮いていても、「おーい、雲よ」と呼び合える距離ではない。
それでも、山村暮鳥(やまむらぼちょう)の詩「雲」を思い出す。
おうい雲よ
ゆうゆうと 馬鹿にのんきさうぢやないか
どこまでゆくんだ
ずつと磐城平の方までゆくんか
どこへいくんだろう、わたしは。
空の果てしなさに、不意に不安になった。
八ヶ岳に降るように集まっている雲たち。
秋らしい顔になってきた八ヶ岳。
南アルプス連峰の上も、秋の雲が広がって。
甲斐駒ケ岳。
とんがったオベリスクがあるのが、地蔵岳です。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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