「薪ストーブの灰を持っていく」
そう言って出かけた夫がなかなか返ってこないと思っていたら、軽トラックいっぱいに枝を積んで帰ってきた。
「灰が、枝になったよ。そのうえ、ほら」
手には大きな白菜を、持っている。
「いただいた灰のおかげで、こんなに大きな白菜ができましたって」
家庭菜園をしているご近所さんに、冬のあいだ灰を分けている。畑に撒くといい土になるのだそうだ。その畑でできた白菜をくださったという訳だ。ギブ&テイクの関係なのだ。
「それにしても、すごい量の枝だね」と、わたし。
「大きな猫柳の木があって、剪定したんだって」と、夫。
「猫柳の枝、いい匂い。こんなにたくさんあって1本の木の枝なの?」
「そう言ってた。1本の木とは思えないよね」
ギブ&テイクはギブ&テイクなのだけれど、くるくる回っていくのがおもしろい。枝を焚きつけに使って薪を燃やし、出た灰を畑のために分けて、それをご近所さんが土に混ぜ込んで耕し、そこでできた白菜をいただいて、それを食べてパワー充電して、薪を切って割って運んで、また灰が出る。
大昔は、そうやってくるくると回っていくことが、生きるということだったのかなあと考える。
木を燃やすこと自体が、自然の循環のなかに組み込まれたことなのだと聞いたことがある。木を燃やすとCO₂が出るが、木は朽ちるときにもCO₂が出る。だから燃やすことでCO₂を増やすことにはならない。木は自分が朽ちたり燃えたりして排出する分のCO₂を、光合成で酸素にしているのだからと。
「薪ストーブは、いいな」
単純明快なところ、シンプルなところがとても好きだ。木を切り出して割り乾かして燃やし、その火の熱で温まる。そんなくるくる回りさえも単純明快である。
すごい!軽トラ一杯分の枝。
この軽トラ、16年前にエンジンが壊れた状態でただで貰ったものです。
エンジンの修理費用だけで手に入れたにしては、長持ちしています。
白菜も、大きい!
きれいに束ねてあって、きちんとした仕事に頭が下がります。
猫柳の芽には可哀想にも思うけど、木のための剪定だからね。
うわっ、きれいな白菜。根っこもついていました。
韓国風白菜鍋にしました。半分で鍋いっぱいです。
薪ストーブくんは、今日も絶好調です。
さえさん、おはようございます♪
根っこ付きの白菜、初めて見ました!!
なぜか今まで根っこ付きは見たことがありませんでした。
さえさんのおうちで出来た灰を使って出来た白菜なんですね。
昔はこういうギブ&テイクは普通に行われていたんでしょうね。
それから木を燃やすこと自体が自然の循環の中に組み込まれていたということもちょっとビックリでした。
papermoonさん
おはようございます。
ほんと、言われてみたらわたしも根っこつきの白菜、初めてでした。
白菜畑はあちらこちらで見かけるんですよ。今が旬ですよね。でも見えない土のなかに根っこ、はっているんですよね~。
そうですね。昔は今よりもギブ&テイクとかおたがいさまとか、そういうことが意識せずにできたのかも知れませんね。
木を燃やすことも自然なことなんだと思うと、薪ストーブの暮らし、よけいに楽しくなりました♩
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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