お隣りの市、韮崎駅前の桜が咲いた。とてもきれいだ。
まだ冷たい風に吹かれながら、カメラを向ける。いつも思うことなんだけど、桜の花びらって一枚だと白っぽく見えるのに、集まるとしっかりピンク色。蕾が濃いピンクをしているのも、花びらがぎゅっと集まってるからなんだよね。
人もそうなのかな、と考える。
伊坂幸太郎が、家庭裁判所の調査官たちを描いたミステリー短編連作『チルドレン』(講談社文庫)にかいている。
彼らは一人きりでいる時は問題がなくとも、集団になると歪むのだ。陣内さんは、「子どものことを英語でチャイルドというけれど、複数になるとチャイルズじゃなくて、チルドレンだろ。別物になるんだよ」とよく言った。そういう性質なのだ、と。
歪むかどうかは別にしても、大人になってさえ「集団」になると、ひとりの人にはないその集まりの色が出てくるように思う。別物になる、という陣内の意見も遠からずだ。だんだん歪んでいく部分も出てくるものなのかも知れない。
集まって、桜色だったらいいな。
そんなことを思いながら、ふたたびカメラを構えた。
風に吹かれて揺れていました。
蕾の濃いピンクも可愛いですよね。
青い空によく似合う花だな~ってあらためて思ったり。
ふわふわとこぼれ落ちそうな、雲のように思えたり。
ピンク色って優しい気持ちにしてくれるな~と思ったり。
駅前ロータリーの歩道にこうして咲いているだけですが、ウキウキします。
☆『地球の歩き方』特派員ブログ、更新しました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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