きのうは、久しぶりに青空が広がった。
昼食用のサンドイッチなどを買い、パン屋の外に出ると青い空に一筋の飛行機雲が見えた。飛行機雲を見ると思い出すのはいつも同じことだ。
飛行機雲はまっすぐに伸び、正しい道を歩くように教えている。
伊坂幸太郎のデビュー作『オーデュポンの祈り』(新潮文庫)にそうあったのだ。150年間、外の世界と交流がなかった島が舞台で、突然そこに連れていかれた主人公、伊藤は、もちろん飛行機を知っているのだが、島の人たちは知らない。当然、飛行機雲という名前も。
雲の切れ間に、飛行機雲が走っていた。空港から伸びんだろうか、豆粒ほどの機体と、そこから棚引く雲が、一直線に伸びている。
「飛行機雲だね」と僕が言うと、彼女は怪しむ顔をした。「何それ」
「そう言わないのかい」
「あの雲は、正しい道を歩くように教えてくれているんだよ」
何とも美しい描写である。
それを読んでから、飛行機雲を見るたびに背筋が伸びるような気持ちになる。我ながら単純なのだが『オーデュポンの祈り』を読んでから、飛行機雲はわたしのなかで「正しい道を歩くように呼びかけている存在」となった。
もちろん、人によって様々な印象があるだろう。
NHKドラマ10のドラマ『コントレール~罪と恋~』では、飛行機雲は、殺人を犯してしまった自分の罪を思い起こさせる象徴だった。
しかし、ドラマを観終えた後も、わたしの飛行機雲感は変わらない。まっすぐ伸びる雲を見て背筋が伸びる。とても自然なことのように感じる。
だからわたしは、飛行機雲が好きだ。
きのう見た飛行機雲です。
八ヶ岳には雲がかかっていましたが、青い空と白い雲っていいな。
足もとには、大豆の畑が広がっていました。
畦には鬼灯も。パッと目を惹くオレンジですね。
これはブリュッセルで見た飛行機雲。空港が近いのかたくさん見かけました。
さえさん、こんばんは!
飛行機雲、私も好きです。
あの飛行機はどこへ向かって飛んでいるのだろう?といろいろ想像しながら眺めるのが好きです。
青い空にどこまでも直線の白い線のような雲、すごくキレイなコントラストですよね。
ひこうき雲というとユーミンの歌を思い出します。
歌詞の内容は少し悲しいけれども、お気に入りの曲の1つです。
私も以前、龍の形の雲を見てブログに載せたことがあります。
その記事は非公開にしてしまったけれども、私にとっては大きな転換期の時に見た雲なので思い出深いです。
papermoonさん
ほんと、青と白、まっすぐな線。きれいなコントラストですよね~♩
ユーミン、ありましたねえ。
コメントを読むまで思い出しませんでした。
印象的な雲を見たときのこと、その時の心持ちと一緒に覚えていることってありますよね。
龍の形の雲、すてきだったんでしょうね♡
ニュースで、東京の連日の雨が報道されているように、山梨でもお天気が悪い日が続いていたのですね~
まっすぐ伸びる飛行機雲が、正しい道を歩くように教えているように思えるっていいですね。
遠くの空を、ゆっくりと長く伸びていきますよね。
ブリュッセルの飛行機雲は、上に伸びて、どこか凛としていますね。
私は飛行機雲を見ると、ユーミンのデビュー曲の「ひこうき雲」を思い出し、つい口ずさんでいます。
世代ですね~(^^ゞ
ほおずきは「鬼灯」って書くんですね。初めて知りました。
可愛い姿なのに、鬼の字が着くんですね。
ユミさん
ユミさんもやっぱり飛行機雲はユーミンなんですね~
わたしたち同世代の方には多いかも知れませんね♩
山梨も洗濯物が乾かない日が続いていたんですよ~
今日は晴れて、晴れの日があるってありがたいな~なんて実感しています。
鬼灯、そうそう、可愛いのに鬼がつくんですよね。
でも鬼の灯ろうのイメージが、あとづけですがわたしのなかにはあります。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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