今年も、『増富もみじ祭りウォーク』に参加した。去年は10㎞コースだったので、今年は14㎞に挑戦。よく歩いた。
夫とふたり2度目なので、勝手知ったるという感じだ。去年はどうだったとか、あと少しであの場所だとか言いながら歩く。
紅葉は、去年より色づきがイマイチだったが、川のせせらぎを聴きながら、森の空気を身体じゅうに浴びて歩くのは気持ちがよかった。
どちらのコースも、折り返し地点には「鯨石」と呼ばれる大きな石があり、今年もあの鯨に会えるのか、などと思いつつ目指した。
その折り返し地点間近、スタッフの方が声をかけてくださった。
「この石が、『鯨石』です。向こうの橋の上から見ると、目があるように見えるので、ぜひご覧になってください」
「この石ですか?」
わたしは、半信半疑で訊いた。
「はい。この石です。あの橋から見てみてください」
その石は、1年前に見た石ではなかった。去年は、「鯨石」と看板が立っている石がそうだとばかりと思っていた。
「あれが、鯨石かあ」
そう言われれば、そう見える。しかし、会えると思っていた友人が別人だったかのような違和感を覚える。
そして、細長くて大きな石ならどの石もみな鯨のようにも見える気がしてきた。
「あの石も、この石も、名前つけられそうな気がするね」
などと、目につく石に名前をつけながら、帰り道を歩いた。そうやって見てみると、川原の石ひとつひとつが、その存在をアピールしていた。
スタート地点のみずがき湖。雲が多かったけど、湖面に映る山々が美しかったです。
湖の反対側。14㎞コースはみずがき湖の周りをぐるりと1周しました。
湖の奥には、こんな美しいところもありました。
それからトンネルを抜け、川沿いの道をゆっくりと登ります。
真ん中に細長く横たわり目があるように見えるのが「鯨石」です。
帰り道に見た紅葉。気持ちよく疲れていて、余計に綺麗に見えました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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