「あのさー、あれ、ちゃんと直してから洗濯に入れてくれない?」わたしの言葉に、夫は誤魔化すように言う。「ああ、あれな。あれ、たいへんなんだよ」何のことはない、五本指靴下のこ...
どうしたら空き巣に入れるか、本気で考えたのは生まれて初めてだった。開いているトイレの窓から忍び込むか、格子のついた窓の隙間から長い棒を入れて窓の鍵を開けるか、窓ガラスを鍵...
原田マハの恋愛小説『カフーを待ちわびて』(宝島社文庫)を、読んだ。 カフー ―――【果報】与那喜島の方言。いい報せ。幸せ。舞台は、沖縄の小さな離島。島の巫女(ユタ)である...
待つのは得意だが、待たせるのは苦手。そういう性質だと思っていた。しかしふと、じつのところはせっかちで、自分は待つのは苦手なんじゃないかと考えた。小さな待ち時間、何かをして...
母からじゃが芋が届いた。北海道の親戚から送ってきたという男爵のおすそわけだ。北海道の牧場で育った両親の影響で、わたしも幼い頃から男爵とメークインの違いはよく知っていた。男...
井上荒野の連作短編集『リストランテ アモーレ』(ハルキ文庫)を読んだ。本屋で発見したときには、わくわくした。井上荒野。短編集。料理小説。「これこれ! こういうのが! 読み...
映画『ハドソン川の奇跡』を、観た。経験豊かな機長の機転でハドソン川に着水した飛行機のニュースは覚えていたが、英雄と讃えられた機長サリーが、その後1年半にも渡り、乗客を命の...
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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