ケンジは、すごい!
何がすごいって、シロさんが作った料理に対するリアクションが。
まず見た時点で、うれしそうな笑顔で素直な喜びを表現する。
「あー何? ナスだ! うまそう!」
食べたら食べたで、きちんと感想を言う。それも心からほとばしり出たように自然。
「んん、ピリ辛であまからでナスがとろーり。うまーい♡」
シロさんが言葉にせずとも、茄子が好物の自分のために手をかけて作ってくれたんだとちゃんと知っている。それをまたしっかり言葉にする。
「俺いまとってもしあわせ♡」
で、その返事が、シロさんの照れ隠し的なそっけないいつもの言葉。
「あーそりゃ良かった」
ケンジはそれを気にかけないどころか、シロさんらしさをうれしくさえ思いつつ受け止めている。
うっとり。(わたしの心の声)
で、ケンジにそう言わせる料理を作るシロさんが、やっぱすごいんだよねえ。といってもお金をかけないお家ご飯。ちなみにこの日の献立は、ナスとトマトと豚肉のピリ辛中華風煮込みと、中華風豆腐サラダだ。
遅ればせながら、漫画『きのう何食べた?』にハマりました。
40代のゲイのふたり、シロさんこと弁護士の筧(かけい)史郎と、ケンジこと美容師の矢吹賢二は、恋に落ちふたりで暮らしている。
料理はシロさん担当、というよりシロさんの楽しみだ。いかに安い食材で美味しく栄養の偏らない食事を作るかに日々かけている。
そのレシピを紹介しながら、ふたりの関係や、周りの人たちのゲイに対する意識、反応、差別。そして、彼らの置かれている立場なんかも描いている。
たとえば、シロさんは職場にゲイだということを公表していない。ケンジはカムアウトしているのだが、ある日客に自分のことを話したとをシロさんにとがめられ、ケンジが泣いて訴える。
でも店長はお客さんに自分の奥さんや子どもの話をするよ? なんで俺だけ自分といっしょに住んでる人の話を誰にもしちゃあいけないの・・・?
そんなふたりの食卓を中心にした、穏やかで穏やかならぬ日々。
「ああ、人を好きになるってこんなにも素敵なことだったんだ」
読み始めて止まらなくなったのは、何といってもそこです。
不思議ですね。本屋でチラ見していた何でもないこの表紙、ふたりのワンシーンが読んでみるとほんと微笑ましく素敵に思えてきます。
テレビは見逃し配信のネットで見ました。内野聖陽はハマリ役だと思います。西島は、まあまあかな。(個人的な感想です)
こんばんは。
連載開始時から読んでいるのでドラマ化にはビックリしましたが、見ているとなかなか面白い(笑) ワタシも内野さんがドラマをうまく引っ張っていると思います。同じ意見で嬉しいです(*^^*)
彩夏さん
おはようございます。
連載開始から!すごいですね。
ドラマ化は、意外だったんですね。
内野さん、ほんとケンジそのまんまで楽しいですよね~わたしも同意見でうれしいです♡
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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