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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

『日日是好日』~「お茶」が教えてくれた15のしあわせ

映画『日日是好日』の原作である森下典子のエッセイは、副題に”「お茶」が教えてくれた15のしあわせ”とある。

原作に忠実に作られていたにもかかわらず、映画を観てから原作を読んでも、じゅうぶんに楽しめるエッセイ集だった。

 

15章から成るこのエッセイ集は、茶道についてかかれているのだが、それは茶道だけではなく何ごとにも通じることのように思う。

書評などで「多くの読者にとってかけがえのない人生のバイブルとなっている」と評されるのは、それゆえのことだろう。

第1章 「自分は何も知らない」ということを知る。

第2章 頭で考えようとしないこと

第3章 「今」に気持ちを集中する

第4章 見て感じること

第5章 たくさんの「本物」を見ること

第6章 季節を味わうこと

第7章 五感で自然とつながること

第8章 今、ここにいること

第9章 自然に身を任せ、時を過ごすこと

第10章 このままでよい、ということ

第11章 別れはかならずやってくること

第12章 自分の内側に耳をすますこと

第13章 雨の日は、雨を聴くこと

第14章 成長を待つこと

第15章 長い目で今を生きること

以下、第11章『別れはかならずやってくること』から。

会いたいと思ったら、会わなければいけない。好きな人がいたら、好きだと言わなければいけない。花が咲いたら、祝おう。恋をしたら、溺れよう。嬉しかったら、分かち合おう。

幸せな時は、その幸せを抱きしめて、百パーセントかみしめる。それがたぶん、人間にできる、あらんかぎりのことなのだ。

だから、だいじな人に会えたら、共に食べ、共に生き、だんらんをかみしめる。

一期一会とは、そういうことなんだ……。

第14章の『成長を待つこと』が、もっとも印象に残った。

武田先生は、その季節にしかない多くの仕掛けを用意しておきながら、説明することはしない。お茶と長くかかわっていくなかでひとりひとりが気づく瞬間をじっと待っている。1年前には2つしか気づかなかったことが、3つ4つと気づくようになる。そのときの驚きは、言葉で教えられていては味わえない。

 

そして第15章、「日日是好日」の本当の意味に気づくのだった。

目を覚ましなさい。人間はどんな日だって楽しむことができる。そして、人間は、そのことに気づく絶好のチャンスの連続の中で生きている。

表紙の写真は”三日月”のお茶。

「三日月?」

先の広がった茶筅で、いったいどうやって、泡に覆われた水面に「三日月型」を残すというのだろう? まるで、剣豪小説に出てくる達人の「技」ではないか。

典子は、戸惑いながらも「お茶」の魅力に惹きこまれていく。

COMMENT

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  1. ぱす より:

    私も、午後から読みました。
    映画は原作通り、忠実に筋立てしてあるのだなと思いました。
    しかし、文にもできないこともたくさんあったとも書いてありましたね。
    それほどに、お茶は深い。それになぞらえた人生や人の気持ちは実に深いものなのですね。

    茶花や、お菓子の種類も楽しかったです。
    食いしん坊ですから、そこのお菓子を食べてみたくもなりました。
    神田や鎌倉にちょっと買いに出かける。全国から取り寄せる。掛け軸のバリーエーションも半端ないですね。武田先生、すごい人だなと思いました。

    • さえ より:

      ぱすさん
      ですよね~♩でも、映画の空気感は、やっぱり本では出せないものだとも思いました。
      ほんの一部に過ぎないみたいなこと、かいてありましたね。
      お茶の奥の深さ。人生の奥の深さ。
      考えさせられる映画で、エッセイでしたね。
      茶菓も、お花も、掛け軸も楽しかったですね。
      武田先生、すごい人ですね。言葉にせずに、成長を待つというのがまた、なかなかできないことだと思います。

  2. hanamomo より:

    目を覚ましなさい。人間はどんな日だって楽しむことができる。
    そして、人間は、そのことに気づく絶好のチャンスの連続の中で生きている。

    本当にそう思います。
    ああ~今日はだめだったな~と思う日があっても、何かしらちいさないいことが片隅を見れば見つかったりしますよね。
    心にいつもこの事をとめておきたいものです。
    素敵な記事をありがとうございました。

    • さえ より:

      hanamomoさん
      雨の日は「天気が悪い」と言うけれど、そうではないともありました。
      受け入れることの大切さを思います。
      そして、hanamomoさんがおっしゃるように、小さな「いいこと」が見つかったりしますよね。平和な幸せな時間にいるのだということをまた、思います。
      こちらこそありがとうございます♩

PROFILE

プロフィール
水月 さえ

随筆屋。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

夫が営む広告会社で経理を担当。

2012年から随筆をかき始める。

 

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。

 

『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

随筆かきます。

 

依頼はメールフォームからお願いします。

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