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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

石のソッパ

今年は、ポルトガルへ行こうと計画を立てている。

『レトロな旅時間ポルトガルへ』は、ポルトガルが大好きでポルトガルの陶器や雑貨を扱うネットショップも開いている矢野有貴見が彼女なりの視点でまとめたガイドブックとエッセイの中間のような本だ。

写真も多く、美しく、楽しんでいるのだが、そのなかになつかしい話を見つけた。ポルトガルの民話『石のソッパ』だ。「ソッパ」とはポルトガル語で「スープ」のこと。民話『石のスープ』は、子どもの頃に読んだことがあり、印象に残っていた。ポルトガルに伝わる話だとまでは記憶に残っていなかったが。

むかし、ある村を旅人が通りかかりました。そして村人から鍋を借りると、おいしいスープがつくれる不思議な石だといって、水の入った鍋に石を入れて火にかけました。旅人は味見をしながら「塩を入れるともっとおいしくなるんだが」とつぶやくと、その様子を見ていた村人が鍋に塩を入れました。そうして、次は野菜を入れるとおいしくなる。肉を入れるともっとおいしいと、旅人のいうまま村人たちはさまざまな具材を鍋に放り込んでいきました。

無論それは石の力ではなく、野菜や肉や調味料をゆっくりと煮ることで素晴らしく美味しいスープができあがったわけだが、

村人たちは、そのおいしさに感激し不思議な石の力に驚いたのでした。

そう結ばれている。

 

子どもの頃に読み、思った。

旅人はまんまと村人を騙し、スープの材料をせしめたのだと。

それなのに、騙された村人たちの明るく人の好いこと。みなで大鍋で煮込んだスープを食べるシーンの和やかさ。そのちぐはぐなところがまた好きだった。

しかし、と再読して思う。

旅人は、スープ作りの「アイディア」を村人たちに提供し、だからこそ村人たちは美味しいスープが食べられたのだと。

子どもの頃にはわからなかったが、「アイディア」を仕事にすることもあるし、「アイディア」にお金を出すことだって当然ある。

たぶんそのことを当たり前に知っている現代の子どもたちは『石のソッパ』のお話を読み、どんなふうに感じるのだろう。

 

この本をペラペラと捲り想像するに、今でも石のスープ「ソッパ・ダ・ペドラ」に石を入れることもあるというポルトガルの人たちは、きっと民話の村人たちのようにのんびりとした人たちなんだろうな。

などと思いつつ、石入れたら、ソッパほんとに美味しくなるのかもと考えるわたしがいる。

「ソッパ・ダ・ペドラ」とポルトガルの人たちに会う日が、今から楽しみだ。

著者のブログBonito★ぽるとがる―ポルトガルのカワイイコト―』ときどきのぞいてみようと思います。

 

☆『地球の歩き方』北杜・山梨特派員ブログ、更新しました。

【山梨の郷土料理~うまいもんだよ南瓜のほうとう!】

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PROFILE

プロフィール
水月 さえ

随筆屋。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

夫が営む広告会社で経理を担当。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。

『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

随筆かきます。

 

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