先日紹介した『思わず考えちゃう』の第2章「父だから考えちゃう」には、二児の父であるヨシタケ氏が子どもを見つめながら「考えちゃう」ことがかかれていた。子どもたちがアラサーとなったわたしには、なつかしいことばかりだ。
そのなかで、なるほどーと唸ったのは、〈幸せのインフレ〉について。
どっかのラーメン屋さんに行ったら、僕の前に並んでいた家族もやっぱり子どもがいて、そのお子さんは最後にアメをもらえるって知らなくて、で、アメもらったら、すっごい、やったあって、にこーってして、かわいかったんです。信じられるものはこういう笑顔だよなあって。それも、アメ一個でね。
ヨシタケ氏は、考える。
大人達は今やもう、幸せになるのに一、二万円必要じゃないですか。
学生の頃は二千円ぐらいで幸せになれたのに、大人になると幸せのインフレが起きるわけですよ。同じ喜びを得るのに、よりたくさんお金が必要になってくる。
だからなのか、と膝を打った。
大人になった今、わたしは日常のなかに埋もれてしまいがちな些細な〈幸せ〉を日々探し求めている。お金で買えない、〈幸せのインフレ〉に左右されないことごとを。
この表紙をめくると、おとなしく本を読んでいた子どもが、違うポーズになっていて、そんなことも楽しめました。
ラーメン屋さんにいた女の子。ほんとに、うれしそう。
でも子どもってきちんとずるがしこい部分も持っていたりもする。風邪で寝込んでいた息子くん。もうよくなってるのに、状況を把握して甘えられることを読んでいるんですね。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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