イタリアは、ローマに来ている。3年ぶりの海外。
この本は、「ローマを拠点にイタリアを旅する」そう決めたとき手に取った本だ。
コロナ禍で海外旅行の情報は激減していて、『地球の歩き方』でさえ3年前のものしか手に入らなかった。
ガイドブックとは違う切り口で写真エッセイ風にまとめられたこの本には、初めて知ることばかりが載っていた。
「石畳」Il selciato
ローマの石畳は、サンピエトリーニ(sampietrini)といって、サン・ピエトロ広場の敷石から出発している。13㎝×13㎝の黒っぽい石と石の間に砂や石を細かく砕いたものを入れて石畳を作る。石は下に向かって細くなっているので、敷いた砂の土台に埋め込むのは簡単。セメントを使わないので石と石が動きやすい。でも、そのおかげで雨水が浸透しやすく、水はけがよく、地面が呼吸できるので、地球にとてもやさしい石畳なのだ。
石畳ひとつにも、なるほどとうなずけるローマがある。
「怪人の顔の噴水」Le fontare del mascherone
ローマの街には、なぜかマスケローネ(=怪人面、怪人、怪物の形をかたどった彫像やレリーフ)の噴水や建物の入口があちこちにある。どれもみんな口をぽっかり開けて変顔!(中略)街角には変顔があふれている。上を見て下を見て探してみよう。
探して歩くのも、楽しそうだ。
「どこまでもまっすぐな道」Via Giulia
ローマの道は、大きな遺跡や施設が点在しているわりに、小さく込み入っている。とくに中心部は細い石畳の道がくねくねと続き、まるで迷宮のようだ。地図を見ないでひたすら道沿いを歩いていたら、自分はまっすぐに進んだと思っていたのに、思わぬ場所に迷い込んでしまったということが何度もある。
そんなローマの街にあって、まっすぐな道〈ジュリア通り〉は、巡礼者のために作られたテヴェレ川沿いのまっすぐな道だという。
「最も美しい石像」Pieta di Michelangelo
ピエタは静かなオーラを放ちながら、生きているかのようにそこにある。ミケランジェロは「どんな石の塊も内部に彫像を秘めている。それを発見するのが彫刻家の仕事だ」といい、削りながら無機質な大理石から魂の姿そのものを取り出したのだ。
ミケランジェロが署名した唯一の作品、サン・ピエトロ大聖堂のピエタ。
完成後、他の作家のものと間違えられているのを耳にし、心ざわつきサインを刻んだという。天才ミケランジェロの人間的な部分が見えてくるようだ。
もちろん、甘くて苦い、美味しい情報もたくさん載っている。
道案内の本たちを手に、旅は始まった。
表紙は、テルミニ駅周辺にあるリストランテ「IL Ritrovo」です。
「石畳」についてかかれたページ。
「怪人の顔の噴水」のページです。
「どこまでもまっすぐな道」のジュリア通り。自転車で走りたいような道ですね。
「最も美しい石像」ミケランジェロのピエタです。
☆明日から、2022年秋イタリアの旅レポ、アップしていきます。
3年前の「地球の歩き方」は役立ちましたか?
私も、海外旅行の際は「地峡の歩き方」を買います。
やはり一味違うんですよね。懇切丁寧で、こびてない感じが信用できます。
本屋さんで、海外向けのガイドブックが消えたときはびっくりしましたね。
海外どころか、日本のガイドブックのエリアも激減していました。
ようやく渡航できるようになりましたね。
出国・入国の際のイタリア事情はいかがでしたか?
旅レポ楽しみにしていますね!
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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