オルヴィエートでは、もうひとつ行きたいスポットがあった。
「サン・パトリッツィオの井戸」だ。
およそ500年前の16世紀、法王クレメンテ7世が、丘の上の都市オルヴィエートが包囲攻撃を受けた際、水源を確保するため作らせたそうだ。
深さ62m、直径13m、階段は248段、約70もの大きな窓がアートのように空いている。実用性にも重きを置き、上り下りとを別ルートにした二重螺旋階段にしたのは、フィレンツェの建築家アントニオ・ダ・サンガッロ。水を汲んで上る人と下る人が鉢合わせないよう考えられているという。
なかに入ってみると、70ほどもあるという窓がすべてアーチ型になっていて、そこから灯りが漏れ、まるで誰かが暮らすそれぞれの部屋の窓のように見えた。
時代は何千年も違うのだが、その窓の向こうにエトルリア人が住んでいたかのような錯覚に陥る。
井戸を訪れるまえに、エトルリア人が残したと考えられている遺跡が眠る地下探検ツアーに参加した。
紀元前からラツィオ州やウンブリア州に暮らし、古代ローマ時代には国を治めていたエトルリア人。その全容は明らかにはなっていないという。
彼らの暮らした家や、食料にするために鳩を飼っていた鳩小屋跡を見て回ったせいか、「サン・パトリッツィオの井戸」を歩き、ふっと彼らの気配を感じたのだった。
タイムスリップするホールは、こういう場所に空いているのかもしれない。
「サンパトリッツィオの井戸」入口です。無人で機械にチケットを読み込ませるようになっていました。
おーっ、深い。怖い。
だいぶ下りました。
井戸の底が近づくにつれ、だんだん暗くなってきました。
螺旋階段は、一方通行になっています。水を汲んで上るのは、たいへんだったでしょうねえ。
上り。自分で好きで下りたのに、これは何かの罰ゲームかと思うほどに、きつかった!
着いた~旅を始めてから、日々スマートフォンの万歩計は1万歩を超えています。
こちらは、オルヴィエート地下探検ツアー入口。
家の屋根の形になっている空間。人が住んでいた場所だそうです。
洞窟のようなところを歩きました。
無数に空いている穴は、鳩を飼っていたのではないかと考えられているそうです。卵や肉を食べていたと。真ん中の鉄格子がはめられているところは、地上とつながっていた出入り口みたいです。
わあ~、面白い所ですね。
まさに異空間。
井戸に見えない井戸や地下都市のような空間。
ホールは無くても、この空間こそがタイムスリップ出来る場所だったのでは・・・?
日々10000歩越え、お疲れさまです。
足腰、鍛えられますね。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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