上原大祐さんとの出会いは、「車いすスポーツGOMI拾い」だった。
NPO法人『D-SHiPS32 』が運営するプロジェクトで、参加者が車椅子に乗り、街のゴミ拾いをするスポーツだ。
そのときの記事は → こちら
生まれながら二分脊椎という障害を持ち車椅子ユーザーである上原さんの講演を聞いて、もっとも印象に残ったのは、ロンドンオリンピックを観戦に行ったときの話だ。彼は、ひとり車椅子で会場である公園に向かっていた。
すると「ヘイ!」
声をかけられた。外国人の男性だった。
「公園に行くのかい? こっちから行くと階段があって、行けないよ」
「ああ、そうなんだ」
「左へ行くといい。スロープがあるからね」
「そうか、助かったよ。サンキュー!」
こんな会話があったという。
その男性は車椅子を押してくれたり、段差を乗り越える手助けをしてくれたわけではない。ただ、車椅子ユーザーがどの道を行けば、目的地に着くかを考え、的確な助言をしただけだ。だが彼の助言がなければ、階段に突き当たり、
「この公園は、階段でしか行けないんだ」
と、あきらめることになっていたかも知れないと、上原さんは語った。
「車いすスポーツGOMI拾い」で車椅子を体験してみて、車椅子ユーザーの立場に立って考えることはとても難しいことなのだと実感したが、ロンドンの男性は、ごく自然に上原さんにそうして接していた。
障害を持つ人の力になりたい、手助けしたいと思っている人は多いと思う。わたしもそうだ。しかし、何をしていいかわからないからと声をかけられずあとになって後悔したり、だいじょうぶですと断られて声をかけたことを後悔したり。
そんなとき、わたしは上原さんの話を思い出し、考える。その人の立場に立って、と想像してみる。何も見えてこないことも想像が追いつかないことも多々あるが、それでも考え続けてみる。
上原さんに出会い、障害って何だろうと考えるとともに、障害を持つ持たないにかかわらず、相手の立場に立ってその状況を想像し、思いやりを持ってともに考えられるようになりたいと思うようになった。わたしにとっては大きな出会いだった。
その上原大祐さんが、ピョンチャンパラリンピックアイスホッケーの選手に選ばれたとのニュースが入った。
「応援に、行く?」
夫と顔を見合わせ、慌ててチケットの手配を始めたのだった。
ソウルからカンヌンまで、新幹線KTXで行きました。
アイスホッケーの会場は、ピョンチャンではなくカンヌン(江陵)。カンヌン駅前のオブジェです。会場までは徒歩25分ほど。
オリンピックパークを通って行きました。
総合運動場の前を歩き、たくさんのスポンサーショップの前を通って。
公式グッズのショップは人だかりでした。
着きました。アイスホッケーの会場です。
試合前の練習風景です。さあ、始まります。
☆旅レポは、明日からアップしていきます。
上原大祐さんこと初めて知りました。
2017年4月27日の記録も読ませて頂きました。「車椅子に乗って街のごみ拾いをするスポーツ」など、どなたが思いつかれたのでしょう、全く唸ってしまいます。
その人の立場に立ち、想像し、そして考える、そこからの行動なればこそ、と改めて思います。
ソウルからカンヌンまで新幹線kTⅩで・・・「短歌生活」の韓国吟行を思い出しました。昭和60年ですから33年前になります。
「慶州からソウルへ向けて走るセマウル号(この国の新幹線ですと説明)の窓遠く、教会が多いのに驚きました。 最終日、ホテル新羅の部屋の電気が急に消えて、同室のSさんが怖い怖いと騒いだこと、窓を明けても街全体も真っ暗。まもなくホテルは電気を点し、8月20日の夜は戦争を忘れない日として毎年街中の明かりを消すことにしている、と放送がありました。
通訳のチョン・マルヒさんとは帰国してからも手紙のやりとりをしましたが、冷静に国連墓地なども案内しながら、その言葉の硬さにこの国の歴史の悲しみを見る思いがしました。
映された会場の立派な様子に全く隔世の感ありです。オリンピックを開催できたのですものね。
久々にブログを拝見して―。
Yasukoさん
車椅子スポーツゴミ拾い、目から鱗の連続でした。
これからもたくさんのひとに体験してもらえたらいいなと思います。
33年前に韓国に行かれたんですね。
KTXは、オリンピックパラリンピックのために、去年走り始めたばかりの新幹線です。
様変わりしているんでしょうねえ。
通訳の方と交流を続けられたんですね。歴史などに触れる機会がなかったので、ぜひまた行ってみたいと思います。
さえさん。こんばんわ。
なんと、パラリンピックに行かれていたのですね。
電車の中で、声を上げそうでした!!
その行動力、見習いたいです♪
今から、その様子を見せていただきますね。
ぱすさん
おはようございます♩
パラアイスホッケーの観戦、楽しかったです!
日本、負け続けていますが、上原さんは日本の未来のパラアイスホッケー育成に力を注ぐつもりだそうです。あと1戦も応援しますが、これから先も応援していきたいです♡
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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