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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

女人高野室生寺

奈良でいちばん行きたいのは、「室生寺(むろうじ)」。夫の希望で電車とバスを乗り継ぎ、奈良駅からは1時間半ほどの山のなか、室生寺へと向かった。

 

十年以上前だろうか。古本屋で見つけたという土門拳の写真全集を、夫が嬉々として買って帰った。そのなかに「女人高野室生寺」の1冊があるのだ。

分厚く大きな写真集である。

土門拳は室生寺に強く魅かれ、三十年間、数十回も通い詰めたそうだ。

室生寺の建造物、日本一小さな五重塔、仏像たち、森の木々、流れる川、そこにしかない室生寺周辺の四季が、いく枚もの写真に収められている。

写真集の最後には「回想の室生寺」と題し、室生寺での出来事を土門拳が自分の言葉で記していた。

奈良のなかでも特別雪が少ない室生の地で「雪の室生寺」を撮るために滞在したエピソードや、滞在した旅館との人々とのこと、野にたたずむ石仏に心魅かれ持ち帰ってしまったこと、仏像撮影の難しさやそれに終わりのないことなどなど。室生寺への思いが、あふれている。

なぜ室生寺はいつ行ってもいいのか、何度行ってもいいのか、杉のそびえている様子は前と少しも変わらずにそびえている。お堂も同じようにそびえている。変わらない様子がいいのかも知れない。変わらないのがこっちの気にいっているからであろう。

30年以上前に出版された写真集である。だがきっと室生寺の杉は、お堂は、その頃と変わらぬたたずまいをしているのだろう。

 

そこまで何かひとつの場所やものに魅せられることって、なかなかあることじゃない。室生寺を歩き、何か特別な「気」のようなものがあるようには思えたが、わたしにとっては特別に魅せられる場所ではないのだろうとわかった。

そして、そういうものを室生寺に見つけ、生涯夢中になって撮り続けた土門拳って素敵だなとあらためて思った。いつかわたしも、何かひとつのものに魅せられることがあるのだろうか。それを見過ごすことのないよう、心の目をしっかり開いて一日一日を過ごしていこう。

CIMG1914室生寺仁王門。「女人高野」というのは、厳しく女人禁制を布いた高野山に対し、女性の参拝を許したことから、そう呼ばれているそうです。

CIMG1959金堂。釈迦如来立像、十一面観音菩薩像などを拝みました。

CIMG1923本堂。室生寺本尊の如意輪観音菩薩像が安置されています。

CIMG1962

途中にはこんな石仏さんも。軍荼利明王。

CIMG1930

石仏さんが並んだ姿も見られました。

CIMG1915石の階段は、長くて急でした。

CIMG1924

日本一小さいという五重塔。16.1mだそうです。美しいです。

CIMG1934百年、いや二百年かな?という立派な杉が、空へ向かっています。五重塔から続く階段は、急な部分だけで390段あるそうです。

CIMG1941頂上にある奥の院御影堂。弘法大師42歳の像が安置されています。

CIMG1944

頂上には七重石塔。諸仏出現岩ともありましたが、仏さまのお顔は見えませんでした。

CIMG1931

階段の途中には、岩を根っこで抱き込むようにした杉がありました。

CIMG1907室生寺門前の太鼓判を渡ると、土門拳の定宿橋本旅館があります。左手が旅館、右手が茶屋になっていて、茶屋でお昼を食べました。

CIMG1966

親子丼には、とろろ汁がついていました。

CIMG1964

とろろ蕎麦には、お煮しめ。美味しかった。

CIMG1991

金堂に安置された釈迦如来立像や十二支を頭に乗せた十二神将の写真です。

CIMG1984

土門拳の写真集は、全13巻あります。

CIMG1988

こだわって撮ったという雪。金堂です。

COMMENT

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  1. papermoon より:

    さえさん、おはようございます♪

    土門さんの言葉のように室生寺の良さはいつ行っても変わらない良さなのでしょうね。
    きっと建立されてからずっと変わらない佇まいと景色、これは永久的に不変なのだと思いました。
    長くて急な階段、登るのが大変そうです(笑)
    日頃、歩いているのでいつか室生寺を訪ねたときには、息を切らさないで軽やかに登ってみたいです。
    石仏、いいですね~!
    最近、良さがわかるようになりました(年とったから? 笑)
    日本一小さいという五十の塔ですが、それでも厳かな雰囲気が充分伝わってきます。

    • さえ より:

      papermoonさん
      おはようございます♩
      そうですね。杉も大きく太く、何年も変わらず空に向かっているように見えました。
      山のなか、森のなかにあるからこその室生寺なんだなあって思いましたよ。
      階段、休み休みでへとへと(笑)
      papermoonさんなら、軽やかに登れるんだろうなあ。
      わたしもちょっとは歩かなくっちゃ。
      石仏さん、それぞれに違ったお顔で、いい味出していました。
      五重塔は、今まで見たもののなかでいちばん好きだな~って思いました。

CIMG2394

PROFILE

プロフィール
2016-10-02-11-07-59-1
水月 さえ

随筆屋。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

夫が営む広告会社で経理を担当。

2012年から随筆をかき始める。

 

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。

 

随筆かきます。

依頼はメールフォームからお願いします。

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