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はりねずみが眠るとき

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アズレージョの青

ポルトガルを旅することに決めてから、初めて知った言葉のひとつに「アズレージョ」がある。

ポルトガル伝統の装飾タイルで、白地にブルーで様々な模様や絵が描かれているものが多い。

「azulejos(アズレージョ)」という言葉は、アラブ語の「az-zuleycha モザイク片(光沢のある石)」が語源だとも言われている。ブルー系のものではなくとも、装飾タイル全般を「アズレージョ」と呼ぶそうだ。

 

しかしわたしは、エメラルドグリーンや黄色が入ったものより、白いタイルにブルー一色で描かれたアズレージョに、特別魅力を感じた。

 

バカリャウ料理を食べたときにも思ったが、ブルーのアズレージョに魅かれる気持ちには、日本人特有のものがあるんじゃないだろうか。

日本の藍染めを思わせるのだ。それに身体のなかに染みついた記憶が反応する。だから観ていくほどに魅かれていく。そんな感じがした。

 

ポルトでも、よく歩いた。

歩く先々でアズレージョを見つけ、ふっと気持ちがやわらいだ。

ポルトのメインストリート『サンタ・カタリーナ通り』にある『アルマス礼拝堂』です。礼拝堂のなかの壁もアズレージョでした。礼拝中だったので撮影は控えました。

メトロの駅のすぐ向かいにあるとは思えない、みごとなアズレージョ。

天使のモチーフは、様々なところで描かれています。

ホテル近くだったので何度も通った『サント・インデフォンソ聖堂』。

サン・ベント駅近くの『コングレガドス教会』。

『ポルト大聖堂』のなかの回廊も、アズレージョで飾られていました。

18世紀のアズレージョだそうです。この頃から、白地に藍で模様が描かれたオランダの陶器デルフト焼の影響を受け、ブルー一色で描く傾向が強まったとか。

セラミックに近い中国の磁器を使うようにもなり、質も高まっていったそうです。それもあって、屋外のものも現在まで保存できているんですね。

サン・ベント駅構内は、ポルトガルの歴史を物語るアズレージョで飾られています。

その数、およそ2万枚だそうです。

「世界の美しい駅」を語るときには、必ず名が挙がる駅だとか。

上部は、カラフルな色遣いで描かれています。

ポルトガルを代表するアズレージョ画家ジョルジュ・コラコ制作。

 

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  1. yasuko より:

    装飾タイル一般を「アズレージョ」って呼ぶのですか。ポルトガルの歴史を物語る見事なアルジージョ、「世界の美しい駅」を語るとき必ず名が挙がる駅、ってさもありなんと目を奪われました。
    「18世紀のアズレージョは白地に藍で模様を描かれたのはオランダのデルフト焼の影響を受け・・」何年か前、オランダでデルフト焼の展示場へ案内され、日本の伊万里焼の影響を受けていると知ってちょっと得意になったことを思い出しました。
    土コネをしていた友人と、陶器と磁器はどちらが焼き物らしいか、などと言い合っていた頃でした。
    17世紀以降は極東の磁器を模したコバルト一色が優勢となり、とありますが、中国の影響から日本の焼き物が生まれ、積極的に輸出されたこともあり、お互いの文化の交流で素晴らしい建造物が残されるのだなあ、と感動しました。
    ポルトガルはセンスのいい国ですね。素敵な旅をされました。共に楽しませて頂きました。感謝感謝です。

     

    • さえ より:

      yasukoさん
      アズレージョ、美しいですよね~♩
      デルフト焼きは、伊万里焼の影響を受けているんですか。
      アズレージョはイタリアの影響も受けているそうですよ。
      中国の磁器もなんですね。
      やっぱり、つながっているんですね。
      ほんと、ポルトガルはセンスのいい国だなあと思いました。シンプルお洒落なものが多かったように思います。楽しんでいただいて、うれしいです♡ありがとうございました。

PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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