ビルバオには、ニューヨークのグッゲンハイム美術館の分館がある。
とても不思議な形をしたこの美術館は、アメリカの建築家フランク・O・ゲーリーにより設計されたものだ。曲線をふんだんに使った外観は光を反射するように作られ、空を映し、周りの風景をとりこんで色を変えていく。
最初に入った大きな部屋には、金属で作られたカーブした壁が何枚も並んでいて、巨大迷路の入口のようでおもしろかった。
「これが、アートなの?」
「そうみたいだね」
冷たく分厚い金属の壁を手で触りながら、迷路を歩いた。迷路と言っても単純なつくりで、味のある微妙な曲線がゆっくり続いていく感じだ。
ひと通り歩いてみて、ふと部屋自体も微妙にカーブしていることに気づいた。
「部屋のカーブも、アートの一部なんだね」
「この金属がアートっていうより、この部屋、それから壁と壁のあいだ、空間もみんなアートなんだ」
彫刻を見るとき、たぶんこれまで、そのモノをじっと見つめていた。けれどこの部屋を歩いて、これまで見えていなかった周りに必ずあったはずの空間が、じつはとても大切なモノだったんじゃないかと思えてきた。
空間って、おもしろい。
本を読んでいても、行間がモノを言う、ということがままある。
美術館の外へ出ると、周りにある風景がくっきり見えてきた気がした。
外観です。40℃超えの暑い日でした。
違う角度から。光っていますね。赤いバスが似合うな~。
なかに入ると、思わず天井を見上げてしまいます。
ガウディ建築を思わせるような曲線。でもシャープな雰囲気です。
展示室は撮影禁止でした。パスタの絵みたいですが、迷路を上から見た図です。
川沿いのデッキにも、様々なアートがありました。
巨大蜘蛛さん。つま先、痛くない?
巨大マスコット、パピーくんです。花を絶やさず、入口にそびえ立っています。
像の後ろの建物は、ガラス張りの図書館でした。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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