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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

シチリアのB級グルメ

パレルモのB級グルメと言えば、アランチーニと内臓バーガーだ。

 

アランチーニは、トマト味のライスコロッケ。

「なんで、オレンジ(Orangeアランチャ)なのにオレンジが入ってないの?」

と不思議に思っていたが、見て納得した。見た目がちょうどオレンジくらいの球型だったのだ。正しくは「小さなオレンジ」を意味する言葉だそうだ。

 

内臓バーガー(パニーノ・コン・ミルツァ)は、牛の脾臓と肺をじっくり煮込み、ラードで炒めてパンに挟んだパニーニだ。チーズをたっぷり挟んで食べるのがスタンダードのようだが、さっぱりとチーズ抜きでも楽しめる。

 

屋台で売っているスイーツもある。シチリア名物カンノーロ。

パリパリの皮に甘みを加えたリコッタチーズのクリームを詰め、ドライフルーツやチョコレート、ナッツなどをトッピングしたものだ。一見ごく甘スイーツに見えるが、レアチーズケーキのようなさっぱりとした甘みと酸味があり、甘いものが苦手なわたしも楽しめた。

皮のパリパリ感とクリームのやわらかさを味わうために注文を受けてからクリームを絞るものを「カンノーロ・エスプレッソ」と呼ぶそうだ。「エスプレッソ」は、絞り出すという言葉が語源になっているらしい。

 

ふらふらと市場を、街を歩きながら、1日3食食べられることの幸せを思う。

人間の身体の構造がそういう作りになっていてよかったと、食いしん坊のわたしは、誰にともなくむくむくと感謝の気持ちが湧いてきたのだ。いや。感謝すべきはエジソンかも知れない。彼が発明したトースターを売るために、それまで2食だったのを3食食べる方が身体によいと言ってから3食がスタンダードになったらしいのだから。電気がついて、夜も起きているようになり、自然と食べる回数が増えただけとも言えそうだが。

そう言えば、義父が定年退職してから、食事は1日2食になったと義母が言っていた。時間の流れ方が変われば、自然と食事の仕方も変わっていくのだろう。

朝食にはクロワッサンとカプチーノを、昼食にはB級グルメを、夕食にはシチリアの魚を、1日3食食べられることの幸せを思いつつ楽しんだ。

そんなふうにパレルモを存分に満喫し、ふたたびミラノへと飛んだのだった。

cimg2670アランチーニです。中身はいろいろ種類があって選べました。

イカスミ味、モツァレラチーズ味、ほうれん草とパンチェッタなど。

cimg2423内臓バーガーが売っていた、バッラロ市場の総菜屋さんです。

cimg2421海の幸が、いろいろ。イカ料理は3種類もありました。

cimg2426スパイシーなイカのから揚げ。イタリアビールのモレッティが美味しかった。

飲む前の写真は、ありませんでした(笑)

cimg2428内臓バーガーです。何の飾り気もありません。日本じゃ流行らないだろうな。

でも、塩味が効いていて、美味しかったんです、これが。

cimg2437バッラロ市場は、こんな感じ。肉、魚、野菜、果物がいっぱい。

cimg2361カンノーロです。甘そうに見えるけど、甘さ控えめなんです。

cimg2363オーダーしてから作ってくれる「カンノーロ・エスプレッソ」の屋台で。

cimg2516街なかにあるガリバルディ庭園のガジュマルの木。根の太さに年輪を感じます。

cimg2519

幹の途中から気根という根が生えてきて根づくので、こういう形になるそうです。その根づいた気根の下をカップルでくぐると、永遠に結ばれるとか。

教会のようにもお城のようにも見えますね。誰かが住んでいるみたい。

そう思った途端に、鳥たちがいっせいに木のうろから飛んでいきました。

 

COMMENT

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  1. papermoon より:

    さえさん、こんばんは~♪

    今もイタリアで旅行中なのでしょうか!!
    イタリアへは以前家族旅行で行きましたが、南部のほうへは行っていないので興味深く読んでます。
    イタリアは食べ物がまた美味しいんですよね。
    内臓バーガー、うちの夫が見たら絶対食べると思います(笑)
    ライスコロッケは食べたことがあります。
    チーズがたっぷり入っていて美味しいんですよね。
    また食べたくなりました。
    地中海の温暖な気候と美味しい食べ物、もうこれだけで幸せな気持ちになりますよね。

    • さえ より:

      papermoonさん
      こんにちは~。
      パレルモとミラノを満喫して帰ってきました。
      パレルモは、気候も人も温かく楽しかったです♩
      papermoonさんも家族旅行で行かれたんですね~。イタリアはほんと食いしん坊にはたまらないところですよね♩
      アランチーニは、ミラノでもよく見かけましたが、内臓バーガーはパレルモにしかありませんでした。都会じゃ流行らないのかな?ご主人にぜひ食べていただきたいです。

  2. ユミ より:

    さえさん、帰られたんですね~
    お帰りなさ~い!(^^)/
    お疲れの所、コメントありがとうございました。

    南イタリアは知らないので、興味深く拝見していました。
    自由に歩いて、屋台などで食事って、旅してる~って感じでいいですね。
    内臓バーガーは、見た目と違う美味しさがありそうですね。
    私、そういう系、大丈夫っていうかむしろ好きな人なので、食べてみたいです。

    昨日あたりから関西も寒くなりました。
    山梨はきっと想像以上に寒いんでしょうね・・・
    旅のお疲れ出ませんように・・・(*^^)v

    • さえ より:

      ユミさん
      ただいまです~。
      パレルモは12月でも寒くなくって、いいところでした。バスもあったのに、結局歩き回っちゃいました。市場が大好きで、特に食べ物系が見てるだけでも楽しいんですよね~。その地の文化にいちばん近いところだからかな~食いしん坊なだけかもしれませんが(笑)
      こちらは、今朝はいきなりマイナス5℃でした。
      ちょっと風邪気味なので温かくしています。ユミさんも風邪など気をつけてくださいね~。

  3. ぱす より:

    こんばんわ。
    イタリアからおかえりなさい。
    いいなあ~。いい旅をされましたね。
    毎週、イタリアの番組を見ています。
    イタリアンも好きだし。本場は美味しいでしょうね。
    私も、いつかは・・って思います。

    江國香織の冷静と情熱のあいだは、昔読みました。
    双方から描かれていましたよね。フィレンツェってどんな街だろうと
    思いを馳せた記憶があります。
    江國香織は一時よく読みました。「神様のボート」がとても好きでした。

    • さえ より:

      ぱすさん
      ただいまです~。
      楽しい旅行になりました。ありがとうございます。
      本場イタリアンは、日本で食べるイタリアンのように洗練されていなくって、郷土料理って感じがしました。
      イタリアは人が温かくていいですよ~。
      江國香織、わたしも好きでよく読みました。
      『ぼくの小鳥ちゃん』がいちばん好きです。

PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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